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東郷 なりささん

東郷 なりささん

留学先:アングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin University
留学分類:大学院留学
専攻名:チルドレンズ・ブック・イラストレーション MA Children's Book illustration
留学期間:2010年9月〜2012年1月
beoの留学サポートを利用して留学。個人ブログ「クイナ通りSoi17」では作品を随時更新中

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 特別編★絵本出版

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第9回 8000語のエッセイ

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

2学期の二つ目のモジュールは8000語のエッセイ

なんとか8000語のエッセイをやっつけた!

今期の後半は、イースター休暇も含めて、エッセイを書くためにずっと引きこもり状態だった。ここひと月ちかく、日中は20度を超えてTシャツで十分なほどの陽気がつづいていたので、友達と川沿いの公園でピクニックをしようと話していたのに、誰もそんな余裕はなく、とうとう実現しなかった。

2学期の二つ目のモジュールは、絵本やイラストに関わる内容でテーマを選び、それに関して研究をして6000−8000語のエッセイを書くというものだった。Dissertationとは呼ばれてこそいないけれど、修士論文的な位置づけのエッセイだ。ただテーマは自分の作品に何かしら関係がある題材でなければならず、エッセイに書く内容も、ただ学術的に調べた内容を書くだけではなく、テーマと自分との関わり、自分の作品についての言及、研究成果をどう自分の作品に活かすかといった、自己分析を含まなければならない。

わたしは自然科学をテーマにした絵本について書き、自然をどの程度正確に、リアリスティックに描くべきか、ということについて考察した。題材となる絵本を探すのが大変で、市の図書館や書店の児童書コーナーに座り込んだり、子どもの本を扱う古本屋をのぞいたりもした。

もちろんケンブリッジ大学の中央図書館にも、絵本は揃っており、いくつか閲覧してきた。アングリア・ラスキン大学の在籍証明と住所が確認出来るものがあれば、図書館のカード(顔写真入り!)を発行してくれる。ただ本を借りることはできない。館内に入ると本の重みを感じた。立ち並ぶ古い本、静けさに、入っては行けないところに迷い込んでしまったような、後ろめたさを感じる。廊下の窓沿いに置かれた机で本を読めば、学者か作家にでもなったような気分だ。ほとんどの本は書庫にあるので、データベースの中から読みたいものを探しリクエストを出す形になっている。それぞれの本がある部屋のカウンターにリクエストの紙を出すと、数十分から一時間で用意してくれた。本は種類によっては館内持ち歩き自由で、読み終わった後はどこかの机にのせておけばよいようだが、一部はその部屋からも持ち出せず、写真も撮れない。ここを使いこなせるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。

ケンブリッジ大学の図書館に入った証拠品!
ケンブリッジ大学の図書館に入った証拠品!

エッセイを書くモジュールに入ってから、クラスメイトに会う機会がめっきり減ってしまった。エッセイは互いの進歩状況を見せ合うというものでもないし、チュートリアルはメールでアポイントをとる形式だったので、スタジオで出会う機会も限られてくる。このモジュールで、友達がなにをやっていたのか結局わからずじまいだった。実技以外の専攻を学んでいる人は、年中こんな感じなのだろうか。自分の作品づくりを通してだけでなく、クラスメイトの制作過程をみたり、それに対するチューターや友達のコメントを聞いたりすることが大きな刺激になっていたので、こうも個人作業だとちょっと物足りなさを感じた。

ハイイロガンの親子。繁殖期まっただ中にエッセイを書いていたのがくやしい。
ハイイロガンの親子。繁殖期まっただ中にエッセイを書いていたのがくやしい。

8000語の文章を書き、まとめるのには相当苦労した。英語で思考し、自己分析をするだけの語学力がまだないので、のろのろと英文を作っていくうちに、自分が何を言いたかったのかわからなくなってくる。日本語で書いているときのように、できあがった文章をスクロールして、どこで何を語ったかを瞬時に目で確認したりもできないので、何日もかけて長々と書いているうちに、重複する内容が点在してしまったりもする。考えるという作業は、多分に言語力に依存しているのだと感じた。

最後の数日、まだ苦戦中というメールを友達に書きおくったら、「いまから月曜日の提出時間までの間に何かしてほしいことがあったら、なんでも、どんなことでも手伝うから言ってね!」などと言ってくれて、とてもうれしかった。イギリス人のハウスメイトも文法やスペルミスから、引用情報が抜けている部分まで、通しで読んでチェックをしてくれた。本当にいろんな人に助けられている。

そして無事に今期すべての課題の提出を終えた今日から、すでに夏休みだ。次の授業は9月半ば。これまで一度だって休みが長いと文句を言ったことなどなかったけれど、4ヶ月はちょっとどうしよう、と思ってしまう長さだ。

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