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東郷 なりささん

東郷 なりささん

留学先:アングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin University
留学分類:大学院留学
専攻名:チルドレンズ・ブック・イラストレーション MA Children's Book illustration
留学期間:2010年9月〜2012年1月
beoの留学サポートを利用して留学。個人ブログ「クイナ通りSoi17」では作品を随時更新中

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 特別編★絵本出版

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第8回 Bologna Children's Book Fair

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

日本はちょうどお花見シーズンだろうか。 イタリア旅行から帰ってきたらイギリスはすっかり春になっていた。日中の気温は20度近く、アイスクリームを食べながら公園の芝生に寝そべっている人がいっぱいいる。サマータイムに切り替わったせいもあり、夕方は八時近くまで明るい。シラコバトの求愛を眺めながら夕飯をつくるのが日課になっている。桜はすでに盛りを通り越して葉が出ており、日本よりも一足、春が早いような気がする。未だに地震の影響で停電中だという地域に分けてあげたい、明るさと暖かさだ。

ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア Bologna Children's Book Fair

3月末、クラスメイトとともに、第48回ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア(ボローニャ国際児童図書展)に行ってきた。授業としては、このフェアへの参加は自由だったが、わたしのクラスからは21人中18人、教授陣も3人が参加した。当然、この週はいわゆる授業は行われない。各自で勝手に飛行機や宿をとり、当日会場でばったり会うことを期待しよう、という自由度だったので、わたしは仲の良い3人と一緒に行くことにし、前後の休日を利用してフィレンツェ、ヴェニス、ピサ、トッレ・デル・ラーゴをまわる11日間のイタリア旅行をしてきた。

ブックフェアの入り口で
ブックフェアの入り口で

毎年イタリアのボローニャで開催されているこのフェアは、子どもの本の業界では世界最大の見本市で、今年は65ヵ国から1200以上の出版社が出展したという。出版社がブースを構えて新しく出した本を展示し、翻訳出版するための版権を取引するのが、このフェアの主な目的だ。しかし世界各国からの出版社が一堂に会する貴重な場でもあるため、各国/各社の出版物の傾向やその年の状況をつかもうと、イラストレータや翻訳者も多く参加している。ボローニャ国際絵本原画展のその年の入選者の作品も飾られ、イラストレータ向けの講演も開催される。出版社によっては、イラストレータのポートフォリオを見てくれるところもあり、自分の作品を売り込める可能性もある。

出版社ブースの様子
出版社ブースの様子

会場に入って、まずは出版社の数、本の数に圧倒された。気になる素敵な絵本がたくさんあり、目移りしてとても全部をじっくり読んではいられない。クラスメイトの中には、売り込みに熱心な人も、講演をたくさん聞きに行っている人もいたが、わたしは主に会場を歩きまわり各ブースの内容をじっくりみてまわっていた。

最も興味深かったのは、国によって出版している絵本のテイストが全く異なることだ。イギリス、アメリカは商業路線のものが多く、イタリアとフランスは芸術的な絵本が多かった。自然科学の絵本においても、リアルな動物の絵の図鑑は、英米ブースでは見かけても、イタリアやフランスの出版社にはほとんどなかった。あるイタリアの出版社の動物シリーズは、アーティスティックにデフォルメされた、逆に言えば写真的な正確さのない絵を用いていて、非常に刺激を受けた。またドイツとスウェーデンの絵本には、やわらかいけれど写実的に自然を描写した本がたくさんあった。わたしもコース中に描いた作品をふたつ持って行ったので、いくつかの出版社では実際に作品を見てもらった。編集者によって手に取る作品、指摘する点が異なり、時に正反対のこともあった。自分にあったマーケットを探すのはとても重要なことらしい。そして自分が目指すスタイルの出版社をチェックできるのも、フェアの魅力かもしれない。

3日目、大ニュースがあった。クラスメイトのひとりが、ある出版社から契約オファーをもらったのだ! ふらりとブースに入って、先日まで作っていたコースワークの作品ダミーを見せたら、その場でいくらいくらで、と言われた、と興奮していた。チャンスはあちこちに転がっている。わたしもがんばらなくては。

フィレンツェのドォーモの上でもスケッチ
フィレンツェのドォーモの上でもスケッチ

イタリアの太陽と鮮やかな色の建物、おいしいピザとジェラートを楽しみ、たくさんスケッチもして帰ってきたら、もう四月。早く8000語のエッセイを終わらせて、次の作品のアイディアを練りたいものだ。

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