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東郷 なりささん

東郷 なりささん

留学先:アングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin University
留学分類:大学院留学
専攻名:チルドレンズ・ブック・イラストレーション MA Children's Book illustration
留学期間:2010年9月〜2012年1月
beoの留学サポートを利用して留学。個人ブログ「クイナ通りSoi17」では作品を随時更新中

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 特別編★絵本出版

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 特別編★絵本出版

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
アングリア・ラスキン大学で絵本製作とイラストレーションを学び、ご自身の初の絵本を出版された東郷さんが、卒業から出版までの道のりを体験談ブログに寄せてくださいました。


2012年春に修士のコースを卒業してから2年半が立ち、ようやく絵本を出版することができました。

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Weihnachtsspuren im Winterwald (ドイツ語) ハードカバー (Amazon)

『Weihnachtsspuren im Winterwald』はわたしが文章、絵の両方を作った作品で、スイスのチューリッヒにある出版社からドイツ語で刊行されました。アメリカの生物学者で作家のレイチェル・カーソンが書いた『センス・オブ・ワンダー』に出てくるクリスマスツリーゲームのエピソードに刺激を受けて書いた絵本です。女の子とお母さんが森へ散歩に行き、若木から大木までいろいろなサイズのモミの木を見つけて、それを動物たちのクリスマスツリーに見立てていきます。

わたしは修士卒業後、昨年9月に帰国するまでの約1年半、ケンブリッジに残り作品制作を続けていました。特に仕事があったわけではなかったので不安もありましたが、仲の良いクラスメート3人も同じような状況でケンブリッジに残っていたので心強かったです。そんなモラトリウム生活をする中で、友達と議論しながらアイディアを固め、1年かけて完成画とラフ画からなる手製本したダミーブックを作り、2013年のボローニャ国際児童図書展に売り込みに行きました。

ボローニャ国際児童図書展は、世界各国の出版社がブースを構え、翻訳出版をするための版権の取引をする、児童書の業界では世界最大ブックフェアです。イラストレーターや翻訳者が個人的に参加し、飛び込みで売り込みができることでも有名です。わたしは、せっかく世界的なブックフェアなのだからと思い、国や言語は選ばず、わたしの作品に合いそう絵本を出版している会社を訪ねていきました。そしてたまたま、このクリスマスの本に興味を示してくれたのがスイスのアトランティス社の編集者だったのです。

アトランティス社にしてもドイツ語を話さない外国人のオリジナル作品を出版するのは初めてだったらしく、契約書を英語に翻訳してもらうところからはじまりました。その後、私用でイギリスに遊びに来た編集者にオックスフォードまで会いに行って打ち合わせをしたり、メールでやり取りをしながら、構図を変更したり、ページ同士の整合性を詰めたり、印刷の都合に合わせて紙を変えたりと、何度もやり直しをしながら完成画を作っていきました。絵がすべて仕上がったのは、帰国したあとの1月だったので、原画は郵便でスイスに送りました。

文章はクラスメートの助けを借りながら英語で作ったものだったので、それを編集者がドイツ語に訳してくれました。何しろドイツ語はまったくわからないので、文章の変更点も、英語の直訳を作ってもらって意見を言うというやり取りをするはめに!

そして10月1日、初めての絵本が、わたしも読めないドイツ語で、まだ行ったこともないスイスから、晴れて出版される運びになりました。

また今年の2月にイギリスのウォーカーブックス社から依頼を受け、イラストを描いた作品が『the Mumsnet book of Animal Stories』として10月2日に出版されました。これはイギリスのお母さんたちが書いた子どものための動物の短編集で、コンペティションに入選した10作品をまとめたものです。まだあまり名前の知られていない若手イラストレーター10人が、それぞれ1作品ずつ担当してイラストをつけています。わたしが挿絵を描いたのは、Alison Webb氏による、冬眠したくないハリネズミの子どものお話です。

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The Mumsnet Book of Animal Stories (英語) ハードカバー (Amazon)

ウォーカーブックス社はとてもすてきな自然科学の絵本を出している出版社なので、修士の卒業展の後もポートフォリオや自作絵本のダミーブックを送りつづけていました。その度に「自分のところ向きではない」という丁寧な断りのメールをもらい続けていたのですが、今回突然、仕事の依頼をいただきました。しかも、ひと月ほどで下絵を作るところから完成画まで仕上げて欲しいという、慌てふためく内容! ちょうど特に大きな仕事もなく、アルバイトを探そうかと思案していた時だったので、すべての時間をこの作品につぎ込むことができました。

安定した仕事がないと不安にはなりますが、フリーで作品を作っていくには、自分の作品を作る時間や、何かチャンスがあった際に引き受けられる余裕が大切なのだなと感じました。留学をして視野やコンタクト先が広がったことも大きいですが、卒業して会社に就職するという典型的な人生路線を踏み外したことによっても、世界が広がった気がしています。



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