アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第18回 卒業展
┃いよいよ卒業展
コースの最後を飾る一大行事であるロンドンでの卒業展が無事に終わった。会場はSoho地区にある本屋、Foylesの最上階にある小さなギャラリーを借りた。事前準備はすべて個人ベースで行っていたので、誰がどの区画をもらうかなどは、搬入日にその場でそれぞれの学生が持ち寄った展示物を元に決めた。
わたしたちのグループは自己主張、競争心の強くない人が多く、教授の判断に任せてすんなりと収まり、去年とは大違い‥‥‥とのことだった(!) ただ事前に知らされていたより個々の展示スペースが小さかったので、持ち寄ったものがうまく空間内に収まらず頭を悩ませた。でも最終的には、わたし個人のパネルスペースとしても、部屋全体としても、調和のとれた空間ができ、とても満足している。

わたしの展示スペース

チューターのアドバイスを聞きながら、みんなで助け合って展示レイアウトを決めた
展示のメインは、拡大印刷した本のページを発泡スチロールの板に貼り付けたパネル、そして人によっては額装した原画だ。そしてその下に棚を取り付けてダミーブックやポートフォリオ、コメント帳などを配置した。パネルだけを見て回る分にはささやかな展示だけれど、それぞれの棚にある絵本を読み、作品集を見ようと思うと、とても数時間は見きれない量の展示物になった。
わたしは展覧会の当番をした日に端から順番にじっくり見ていき、1日かけてようやく全員の作品におよそ目を通すことができた。クラスメイトの作品も、スタジオ内やブログ、フェイスブックを通してイラスト自体は見ていても、絵本としてまとまった状態で目にするのは初めてだった。絵本のイラストはページをめくるという動作の中で効果があるもの、文章と一緒になると活きてくるものなのでとても新鮮だった。

ギャラリー風景
┃出版関係者を招いての内覧会は、絵本作家としてのスタートライン
3日目の夜に出版関係の編集者などを招いた内覧会を開いた。教授によれば、昨年以上に多くの人が来てくれたようだ。ただでさえ小さな会場はごった返していた。ビジネスの場になるのではないかとみんなで緊張していたが、どちらかというとリラックスしたおしゃべりパーティーでちょっと拍子抜けした。
先輩は、内覧会ではひとことも編集者と話さなかったけれど、展覧会の3週間後に出版社から連絡をもらったというし、6ヶ月してから電話が掛かってきた人もいるらしい。この卒業展は、修士のコースとしてはエンディングだが、絵本作家としてはスタートラインだ。

内覧会に人が集まりはじめた
┃家族と友達の日
土曜日は、「家族と友達の日」としてそれぞれの友達を呼びみんなで集まった。ロンドンにいるわたしの知り合いは一家総出で来てくれたし、アメリカからホスト・グランドマザーまで飛んで来てくれ、とてもうれしかった。クラスメイトとお互いの作品について話をする機会にもなり、留学生活の中でも思い出の1日になった。
┃卒業展を終えて
卒業展に向けてひたすら走り続けてきたので、その目標を越えたいま、少々気が抜けてしまった。これから少しずつ、出版社にコンタクトを取っていかなければならない。ただでさえ自分の作品の売り込みをするのは難しいのに英語というのは気が重たいが、少なくともあと数ヶ月はイギリスに残り、運試しをしてみようと思っている。
コースの友達は、3月、4月でケンブリッジを離れる人が多い。授業がなくなり、友達がいなくなってしまったケンブリッジの生活がどうなるのか、あまり想像したくない。何しろこれ以上にないほど素敵な1年半だったから!
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