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東郷 なりささん

東郷 なりささん

留学先:アングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin University
留学分類:大学院留学
専攻名:チルドレンズ・ブック・イラストレーション MA Children's Book illustration
留学期間:2010年9月〜2012年1月
beoの留学サポートを利用して留学。個人ブログ「クイナ通りSoi17」では作品を随時更新中

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 特別編★絵本出版

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第14回 マスタープロジェクト(卒業制作)

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学

優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。


マスター・プロジェクト

9月から最後の学期がはじまり、マスター・プロジェクトと呼ばれる卒業制作に入った。来年の2月初めに予定されている卒業展覧会に飾るメインの作品となる。多くの人が絵本という形にまとめることを目標としているが、ポストカードやポスターのシリーズを作るのでもよいことになっている。
 
今学期の授業は基本的には週に一度のチュートリアルしかなく、その他の日は、ひたすら個人で制作に打ち込んでいる。わたしはクラスの友人3人と住んでいるので、毎日お互いに進捗情報を聞いたり、作品を見せてアドバイスをもらったりしている。チューター以外に、制作過程を見守っていてくれる人がいるというのは、とてもありがたい。とくに長いこと同じ作品に取りかかっていると、人や動物のプロポーションや構図、雰囲気など、何がおかしいのか見えなくなってくる。3人の客観的な目に、わたしは何度も助けられた。一人で暮らしていたら、かなり孤独な日々になるところだった。

わたしの卒業制作は、バンという鳥の子育ての過程を示す絵本だ。この春にひと月近く巣を観察したデータと既存の文献を参考にした情報絵本だが、物語形式になっている。現実の鳥や自然に忠実であることを重視しながらも、物語にするうえで、子どもが感情移入したり、親しみをもったりできるイラストという微妙なバランスを保つのが難しい。教授のアドバイスをもとに、リノリウム版と消しゴム判子で制作することになった。ようするに版画だ。

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卒業制作の絵。
刷ってみるものの、必ずどこか気に入らない部分があり・・・・・・。
簡単にやり直しができないのがこのメディアの難点だ。

プリントメイキング・スタジオ

学校のプリントメイキング・スタジオで、オイルベースのインクをパレットナイフやローラーを使って広げ、プレス機で印刷をしていく。印刷のプロセスは、刷りあげるまでどんなイメージを作っているのかはっきり見えないところが、おもしろくもあり難しくもある。印刷の行程次第で絵の雰囲気が全く変わることもある。一枚刷るまでに非常に時間がかかり、また試行錯誤をしながらなので、すでに締め切りの日をにらんで焦っている。

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半地下にあるプリントメイキング・スタジオ

この大学のプリントメイキング・スタジオは、かなり設備が整っている。わたしはリノリウム版しか試したことがないが、エッチングからリトグラフ、シルクスクリーン、ドライポイント、タイポグラフィーなど大概何でもできるようだ。A2サイズ、A1サイズが印刷できるプレスが数台あり、フィルムを感光する機械もある。基本的にはプリントメイキング・コースの学生が使うスタジオだが、毎日、数時間ずつオープンアクセスの時間があり、わたしのコースの学生や学部生も作業をしに来ている。このスタジオで作業をしていると、いろいろなコースの学生と会話をする機会があるのも良い。ただ使える時間が限られており、いつもかなり混み合っていて、自分の場所を確保するのが一苦労なのが玉に瑕だ。

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もうすでに11月。スタジオが閉まるクリスマス前までに、どこまで仕上げられるのか、ちょっと心配になってきた。

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