東郷 なりささんの留学体験談

東郷 なりささん

東郷 なりささん

留学先:アングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin University
留学分類:大学院留学
専攻名:チルドレンズ・ブック・イラストレーション MA Children's Book illustration
留学期間:2010年9月〜2012年1月
beoの留学サポートを利用して留学。個人ブログ「クイナ通りSoi17」では作品を随時更新中

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第18回 卒業展

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第18回 卒業展

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学

優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。


いよいよ卒業展

コースの最後を飾る一大行事であるロンドンでの卒業展が無事に終わった。会場はSoho地区にある本屋、Foylesの最上階にある小さなギャラリーを借りた。事前準備はすべて個人ベースで行っていたので、誰がどの区画をもらうかなどは、搬入日にその場でそれぞれの学生が持ち寄った展示物を元に決めた。

わたしたちのグループは自己主張、競争心の強くない人が多く、教授の判断に任せてすんなりと収まり、去年とは大違い‥‥‥とのことだった(!) ただ事前に知らされていたより個々の展示スペースが小さかったので、持ち寄ったものがうまく空間内に収まらず頭を悩ませた。でも最終的には、わたし個人のパネルスペースとしても、部屋全体としても、調和のとれた空間ができ、とても満足している。

togo_18_1.jpg
わたしの展示スペース

togo_18_2.jpg
チューターのアドバイスを聞きながら、みんなで助け合って展示レイアウトを決めた

展示のメインは、拡大印刷した本のページを発泡スチロールの板に貼り付けたパネル、そして人によっては額装した原画だ。そしてその下に棚を取り付けてダミーブックやポートフォリオ、コメント帳などを配置した。パネルだけを見て回る分にはささやかな展示だけれど、それぞれの棚にある絵本を読み、作品集を見ようと思うと、とても数時間は見きれない量の展示物になった。

わたしは展覧会の当番をした日に端から順番にじっくり見ていき、1日かけてようやく全員の作品におよそ目を通すことができた。クラスメイトの作品も、スタジオ内やブログ、フェイスブックを通してイラスト自体は見ていても、絵本としてまとまった状態で目にするのは初めてだった。絵本のイラストはページをめくるという動作の中で効果があるもの、文章と一緒になると活きてくるものなのでとても新鮮だった。

togo_18_3.jpg
ギャラリー風景

出版関係者を招いての内覧会は、絵本作家としてのスタートライン

3日目の夜に出版関係の編集者などを招いた内覧会を開いた。教授によれば、昨年以上に多くの人が来てくれたようだ。ただでさえ小さな会場はごった返していた。ビジネスの場になるのではないかとみんなで緊張していたが、どちらかというとリラックスしたおしゃべりパーティーでちょっと拍子抜けした。

先輩は、内覧会ではひとことも編集者と話さなかったけれど、展覧会の3週間後に出版社から連絡をもらったというし、6ヶ月してから電話が掛かってきた人もいるらしい。この卒業展は、修士のコースとしてはエンディングだが、絵本作家としてはスタートラインだ。

togo_18_4.jpg
内覧会に人が集まりはじめた

家族と友達の日

土曜日は、「家族と友達の日」としてそれぞれの友達を呼びみんなで集まった。ロンドンにいるわたしの知り合いは一家総出で来てくれたし、アメリカからホスト・グランドマザーまで飛んで来てくれ、とてもうれしかった。クラスメイトとお互いの作品について話をする機会にもなり、留学生活の中でも思い出の1日になった。

卒業展を終えて

卒業展に向けてひたすら走り続けてきたので、その目標を越えたいま、少々気が抜けてしまった。これから少しずつ、出版社にコンタクトを取っていかなければならない。ただでさえ自分の作品の売り込みをするのは難しいのに英語というのは気が重たいが、少なくともあと数ヶ月はイギリスに残り、運試しをしてみようと思っている。

コースの友達は、3月、4月でケンブリッジを離れる人が多い。授業がなくなり、友達がいなくなってしまったケンブリッジの生活がどうなるのか、あまり想像したくない。何しろこれ以上にないほど素敵な1年半だったから!

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第17回 卒業展まで残り2週間

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学

優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。


卒業展まで2週間

ロンドンで開かれる卒業展まで、カウントダウンという時期だ。わたし自身も、コース全体としてもまだ全く準備が調っておらず、さすがに焦り出してきた。まだパネルに飾る絵も選んでいなければ、会場全体のレイアウトも決まっていない。わたしは、これからサイドプロジェクトとして進めていた本の表紙を作り、その見本を学校で印刷して製本する予定だ。本当にあと2週間しかないのだろうかと疑いたくなる。

先日、お正月明けに提出した課題が返却され、無事に卒業制作にも単位が付いた。教授からのポジティブなコメント、そしてマスターの学位が取れることが確定し、とりあえず一安心だ。課題のフィードバック用紙の一番下に、教授が"It has been a great pleasure to have you as a student!"と付け足してくれていたのが、何よりもうれしかった。

そして課題とともに、ちょうど刷り上がって届いたばかりの卒業展カタログも受け取った。同時に卒業することになる、わたしたちフルタイムの学生20人と、3年前にコースをスタートしたパートタイムの学生17人の、合計37人分の作品とプロフィールが収録されているもので、ロンドンの展覧会への招待状とともに各出版社に配布する。

togo_17_1.jpg
卒業展カタログ。

わたしたちの代は、マットな紙に印刷したのでとてもよい雰囲気に仕上がり、みんな大満足している。こうして印刷されると、どの作品も本当にプロフェッショナルに見える!

ただこのカタログ制作費も、卒業展の会場費も、大学はまったくサポートしてくれず、すべて学生間で割り勘して払わなければならず、痛い出費だった。この投資がカバーされる実りある展覧会になればよいのだが・・・・・・。期待半分、不安半分に残りの2週間、がんばって制作と準備を続けたい。

togo_17_2.jpg
卒業展カタログのわたしのページ。カタログとともに業者が無料で名刺も100枚刷ってくれた。

◇◆◇ 宣伝 ◇◆◇
Children's Book Illustration Exhibition
Cambridge School of Art (Anglia Ruskin University)
Graduation exhibition 2012
ロンドンの本屋の4階と大学のギャラリーで行われる、卒業展のお知らせです。期間中に、もしロンドンかケンブリッジにいらっしゃる機会がありましたら、ぜひお立ち寄りください。
HP: www.cambridgeMAshow.com (残念ながら現在まだ作成中)

◆  The Gallery at FOYLES
     日時:2012年2月8日(水)~15日(水) 月~土曜 9.30am - 5pm, 日曜 11.30am - 6pm
     場所:Foyles Bookshop (3rd Floor), 113-119 Charing Cross Road, London WC2H 0EB
     HP: http://www.foyles.co.uk/Children-Illustration-Ruskin

◆  The Ruskin Gallery
     日時:2012年2月29日(水)〜3月15日(木)の平日、大学の開校時間に自由に見ることができる。
     場所:The Ruskin Gallery, Ruskin Building, Anglia Ruskin University, Cambridge Campus. 


★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第16回 卒業展間近の年末年始

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学

優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。


課題提出

あけましておめでとうございます。

冬至を過ぎて、日が暮れるのが毎日少しずつ遅くなっていくのが感じられる。それでもまだ朝は8時にならないと日が昇らない。

4日に卒業制作とそれを振り返えってのエッセイを提出した。なぜか卒業展のひと月前に採点のために課題提出があるので、途中段階のダミーブックを作り、原画もしばらく手放さなければならない。

このコースの場合、誰もが良い成績をとること以上に、卒業展の展示が仕事の契約と結びつくかどうかを気にしているので、これはゴール直前の通過点のような存在だ。


課題提出用に卒業制作 "Little Brown"を製本した。

クリスマス

今年のクリスマスは、ケンブリッジの家で、二人のハウスメイトを含め、帰国しなかった留学生と過ごした。卒業制作も最終段階で、お正月明け4日が課題提出日だったので、今年はケンブリッジに残った人や、ほんの数日しか実家に帰らなかった人が多かった。

togo_16_4.jpg

クリスマス前のケンブリッジの市場。
クリスマスツリー用の木やリース、ヤドリギなどは八百屋で売られている。

クリスマス当日はどこにも行く当てがないというクラスメイト二人も招いて、家でささやかな居残り組パーティーをした。ケンブリッジ郊外の村に住んでいる友達は、クリスマスはバスが動いていないのでタクシーに乗って来てくれた。ハウスメイトの一人がベジタリアンなので、とくにクリスマスらしいメニューにはしなかったけれど、それぞれが1、2品つくり豪華な食事になった。ミンス・パイも、せっかく買ったクリスマスプディングもあまりにお腹がいっぱいで開け損ねてしまったほどだ。

わたしは中華食材店で買った小豆をバターナット・スクウォッシュと一緒に煮てみた。こちらのクリスマスは家族や親戚が集まり一緒に過ごす時間だ。わたしもイギリスでの"家族"であるハウスメイトに囲まれて料理をし、ひたすら食べて、クリスマス気分を味わった。

togo_16_2.jpg

パーティーの準備中。スノーフレークを切り、風船を天井からぶら下げて、クリスマス気分を盛り立てた。

togo_16_3.jpg
大ご馳走を前にした一枚。

元旦

元旦は友達がボランティアをしていたギャラリーの運営委員のひとりが、わたしたち二人をお昼に招いてくれた。お家を訪ねると、居間は大きな本物の木のクリスマスツリーと、何十枚ものクリスマスカードで飾られ、暖炉には火が灯っていた。

日本では、クリスマスの翌日からお正月モードで、門松やしめ縄が街を飾るけれど、イギリスでは1月6日の公現節までの十二夜は、まだクリスマスを祝う期間内だ。大晦日のロンドンのカウントダウンと花火は有名だけれど、新年は特に独立したイベントではないようだ。クリスマスの飾りは公現節の日に片付けないと縁起が悪いのだ、と教えてもらった。

元旦のディナーもデザートにクリスマスプディング、最後にはクリスマスに食べる青カビチーズ、スティルトンとクラッカーが出てきた。思いがけずもう一度クリスマスを楽しんでしまった。1年半の滞在中に出会った友達やその知り合いのおかげで、季節のイベントや文化を体験できている。

ラストスパート!

課題提出後の一ヶ月は、卒業展に向けて、業者を使って絵本の見本版を印刷したり、ポートフォリオを作ったり、別のアイディアや小作品を用意したりする期間になる。本当にラストスパートだ!

キッチンのテーブルに未開封のまま鎮座しているクリスマスプディングを眺めながら、卒業展のお祝いに開けようかと話している。


★留学に関するご相談はこちらから【無料】


アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第15回 留学を通して得たこと

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学

優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

留学を通して得たこと

12月8日にあった卒業制作の最終評論会で、授業、チュートリアルがすべて終わってしまった。そうはいっても課題提出は1月初めで、ロンドンでの卒業展まではひと月半あるので、まだまだ作品づくりは続く。それにしても本当にあっという間の一年半で、留学生活が終わりに近づいているということがまだ認識できていないような気がする。

このコースでは、何か技術や知識を習ったというよりは、自分の作品や人の作品を見る目が養われた。チューターやクラスメイトの作品、彼らがわたしの作品に対して発したコメント、そしてスタジオで見た世界各国からの多種多様な絵本やイラスト、すべてのことに非常に刺激を受けた。

最近は作品を作っていると、この点に注意しろとか、この構図は・・・・・・というチューターや友達の声が聞こえてくる気がする。ここで知り合った仲間は、絵本を作るという目標を共有しながらも、バックグラウンドが異なり、まったく違うタイプの作品を作っているので下手に競い合う必要もなくお互いを助け合える。また留学生が多く、コースのためにはるばるイギリスまで来たのだという意識が、作品づくりに集中できる雰囲気を作っている。

日本の大学にいたころと異なり、バイトにも雑用にも煩わされず、講義すらもほとんどなくて、自分の時間をフルに制作に費やせたのが何よりも贅沢な環境だったと思う。

最終評論会

最終評論会で一通りクラスメイトの作品を見る機会があった。どの人も、出会ったころから作品が変わっており、格段に腕を上げたのが目に見えてわかり感動した。コースを通じて、自分の絵のアイデンティティ、自分を表現するのに一番よい技法である "ビジュアル・ランゲージ"を発見した人が多い。

togo_15_1.jpg
最終評論会の様子

チューターのアドバイスももちろんだが、クラスの仲間が使っている材料やテクニックにヒントを経て試してみたのが、作品の雰囲気にぴったり合った、という事が多かったようだ。わたしも卒業制作のバンの物語を通して、リノリウム版画と消しゴム判子を自分のメディアにできた気がする。

2月初めにある卒業展に向けて、それぞれ自分の絵本の見本版を印刷する。わたしのバンの物語は90%ほどできあがったので、年内に印刷できる形式に整える予定だ。長らく向き合ってきた作品が本という形にまとまるのは、ワクワクする瞬間だ。クラスメイトの作品を見るのも、とても楽しみにしている。卒業展の内覧会には、多数の出版社を招くことになっているので、卒業制作に一区切りをつけたら、この機会に最大限に自分をアピールできるよう、別のアイディアや小作品も準備したい。

すべての授業を終え、次の一大イベント、卒業展が待ち遠しいけれど、それをもって本当にこのコースが終わってしまうのだと思うと寂しい。

togo_15_2.jpg
最後の授業のあと、スタジオでミニパーティを開いた。イギリスのお菓子はどれもひたすら甘い!

★留学に関するご相談はこちらから【無料】



アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第14回 マスタープロジェクト(卒業制作)

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学

優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。


マスター・プロジェクト

9月から最後の学期がはじまり、マスター・プロジェクトと呼ばれる卒業制作に入った。来年の2月初めに予定されている卒業展覧会に飾るメインの作品となる。多くの人が絵本という形にまとめることを目標としているが、ポストカードやポスターのシリーズを作るのでもよいことになっている。
 
今学期の授業は基本的には週に一度のチュートリアルしかなく、その他の日は、ひたすら個人で制作に打ち込んでいる。わたしはクラスの友人3人と住んでいるので、毎日お互いに進捗情報を聞いたり、作品を見せてアドバイスをもらったりしている。チューター以外に、制作過程を見守っていてくれる人がいるというのは、とてもありがたい。とくに長いこと同じ作品に取りかかっていると、人や動物のプロポーションや構図、雰囲気など、何がおかしいのか見えなくなってくる。3人の客観的な目に、わたしは何度も助けられた。一人で暮らしていたら、かなり孤独な日々になるところだった。

わたしの卒業制作は、バンという鳥の子育ての過程を示す絵本だ。この春にひと月近く巣を観察したデータと既存の文献を参考にした情報絵本だが、物語形式になっている。現実の鳥や自然に忠実であることを重視しながらも、物語にするうえで、子どもが感情移入したり、親しみをもったりできるイラストという微妙なバランスを保つのが難しい。教授のアドバイスをもとに、リノリウム版と消しゴム判子で制作することになった。ようするに版画だ。

pictures.jpg
卒業制作の絵。
刷ってみるものの、必ずどこか気に入らない部分があり・・・・・・。
簡単にやり直しができないのがこのメディアの難点だ。

プリントメイキング・スタジオ

学校のプリントメイキング・スタジオで、オイルベースのインクをパレットナイフやローラーを使って広げ、プレス機で印刷をしていく。印刷のプロセスは、刷りあげるまでどんなイメージを作っているのかはっきり見えないところが、おもしろくもあり難しくもある。印刷の行程次第で絵の雰囲気が全く変わることもある。一枚刷るまでに非常に時間がかかり、また試行錯誤をしながらなので、すでに締め切りの日をにらんで焦っている。

making_studio2.jpg
半地下にあるプリントメイキング・スタジオ

この大学のプリントメイキング・スタジオは、かなり設備が整っている。わたしはリノリウム版しか試したことがないが、エッチングからリトグラフ、シルクスクリーン、ドライポイント、タイポグラフィーなど大概何でもできるようだ。A2サイズ、A1サイズが印刷できるプレスが数台あり、フィルムを感光する機械もある。基本的にはプリントメイキング・コースの学生が使うスタジオだが、毎日、数時間ずつオープンアクセスの時間があり、わたしのコースの学生や学部生も作業をしに来ている。このスタジオで作業をしていると、いろいろなコースの学生と会話をする機会があるのも良い。ただ使える時間が限られており、いつもかなり混み合っていて、自分の場所を確保するのが一苦労なのが玉に瑕だ。

making_studio.jpg

もうすでに11月。スタジオが閉まるクリスマス前までに、どこまで仕上げられるのか、ちょっと心配になってきた。

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第13回 留学生活1年を振り返って

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学

優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。


留学生活1年を振り返って

渡英してから丸1年になる。1年を無事に過ごした記念に友達と2人で、ケンブリッジから5キロほど離れたグランチェスターという村まで歩き、お茶をしてきた。こちらに来て最初の日曜日に2人で出かけた場所だ。1年の間にわたしの英語も少しばかり上達し、様々なことを共有し、友達といろいろなことが話せるようになった。ここでロビン・フッドの話をしたよね、このテーブルに座ったね、などと、1年前のお茶の時間を昨日のことのように思い出した。

 
東日本大震災チャリティ展覧会

この9月は東日本大震災からちょうど半年という時期でもある。わたしが在籍するChildren's Book Illustrationコースの学生、卒業生、チューターでTAYORI: Postcards for Japan という地震と津波の被害にあった子どもたちを支援するためのチャリティー展覧会をケンブリッジ市内のカフェで開いた。それぞれが1~3枚のポストカードサイズの絵を描き、それを展示しつつ販売するというものだ。ロイヤル・アカデミー・オブ・アートが毎年開いているRCA Secretというポストカード展を参考に、アーティスト名は表に出さずに展示したので、すでに有名になっている人の作品も、学び始めたばかりの学生の作品も同条件で、買って裏をみるまでは誰の作品かはわからないようにした。

Togo_02.jpg
展示されたポストカード

このすばらしい案を思いつき、会場を決めるところから、セッティングまでパートタイマーの学生ベッキーと数人の仲間がやってくれた。わたしも日本人として、もう少し手伝えればよかったのだが......。タイトルのTAYORIを考え、ポストカードを2枚描く以外にあまり貢献できなかったのが心残りだ。

全部で62人のアーティストによる127枚のポストカードが集まった。初日の内覧会は非常に盛り上がり、その場で定価の20ポンドから競りも行われた。人気のある絵はより多くの支援金を集められたわけだ。この内覧会で75枚ほどが売れたらしい。展示はその後5日間続き、絵の販売自体はインターネットを通じて9月26日まで続ける予定だという。いまのところ84枚が売れて1800ポンドほどが集まったと聞いた。このお金はすべてTeachers for Japanという震災後に宮城県で教えていたALTが中心となって立ち上げたNPOに寄付をする。宮城県とその周辺県で両親や家を失った子どもの教育継続や、学校の再建に当てる支援金を集めている団体だ。

chalityevent.jpg
チャリティ会場の様子

コースの特色、卒業生やチューターのネームバリューを活かして、わずかながら地震で被害にあった人のことを考え、支援できるとてもよいイベントになった。とくに日本と直接の関係のない学生やチューターが先頭に立って、これだけ大きな企画を実行してくれたことに、わたしはとても感動した。

日本を思って描かれた127枚のポストカードはこちらのサイトにアップロードされているので、よかったらご覧ください。
http://www.postcardsforjapan.co.uk/


★留学に関するご相談はこちらから【無料】


アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第12回 新居での生活

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

新居での生活

22時まで明るかった夏至の日からひと月半ほどがたち、21時には日が暮れるようになり、寂しい思いをしている。

新しい家に引っ越してから、ひと月以上がたったことにもなる。怒濤の家探しの結果、最終的にわたしたちが選んだのは、食料品店の二階にある家で、小さいながら内装は新しく快適なところだ。キッチンとバスルームに、小さな部屋がふたつと、大きな部屋がひとつあり、大部屋はふたりがルームシェアをすることになった。基本的に3人用の家だったため、4人で住むにあたり、いくらか大家との交渉が必要だった。何しろはじめ、3人で住む場合より155ポンドも上乗せで家賃を払えと言われたのだ。運良く値切ることに成功し、よい立地にあるよい状態の家を手頃な価格で借りることができた。友達のひとりが休暇中ずっと実家に帰っているので、いまは3人が3部屋で暮らしておりとても快適だが、4人揃ったらどうなるのか、ちょっと心配ではある。

玄関を入るとキッチンで、その他の部屋は2階にある
玄関を入るとキッチンで、その他の部屋は2階にある

3部屋しかないにもかかわらず、その他の候補物件をやめてこの家に決めた大きな理由のひとつは、大家とわたしたちの間にエージェントが介在せず、借りやすかった点だった。エージェントを通して借りる場合、いろいろな名目で仲介料をとられるだけでなく、保証人を立てるか、最短契約期間分の家賃を全額前払いしなくてはならないことが多い。わたしたち4人は全員がインターナショナルスチューデントなので、イギリス国内に住む保証人がおらず、6ヶ月分の家賃全額を一括で払うのもかなり大変だった。大家と直接やりとりできると、契約が簡便で、価格や条件の交渉もしやすいというメリットがある。

引っ越しの荷造りをしながら自分の持ち物の量に唖然とした。昨年9月に渡英した際は、大小のスーツケースひとつずつと、送った荷物を少ししか持っていなかったはずなのに、いつのまにこんなに物持ちになってしまったのだろうか。何よりも本とスケッチブックが増えた。以前のハイスメイトが実家に帰るのでいらなくなったという台所用品や食品を大量にくれたこともある。幸い、バードウォッチャーの知人が車ですべて運んでくれたので事なきを得たが、足で往復しなければならなかったら、どうなっていたことやら。それでも、おかげで台所用品や調味料などをほとんど買わずに新生活を始められた。

日本と違って家具つきで家が借りられるのはとてもありがたい。冷蔵庫や洗濯機、コンロにオーブン、ダイニングテーブル、洋服ダンスやベッド、掃除機などはすべて揃っており、生活を始めるにあたって大きなものを買う必要はなかった。ただ、なぜか大家がわたしの小さな部屋にもダブルベッドを入れてくれたために、使えるスペースが非常に狭くなって困った。ここに机を入れたら、歩き回る場所すらなくなってしまう。そこで、ベッドのマットレスをどけて、フレームの上に大きな板をのせて座卓に改造してみた。ダブルベッドサイズのワーキングスペースならどんな絵でも描ける!内装が新しいので家全体を土足禁止にすることにして、ほとんどコタツに布団の日本的生活だ。

ダブルベッドを改造したわたしの机
ダブルベッドを改造したわたしの机

友達との暮らしはとても快適で楽しい。ふだんはみんな黙々と自分のプロジェクトに打ち込んでいるが、気が向くとキッチンでしゃべったり、夜に一緒にパソコンで映画を見たり、作品を見せ合って意見交換したりしている。コーヒーをいれに入ったはずが、自給自足を推進すると交易が少なくなり閉じた共同体ができてしまうのではないかとか、愛する人と愛される人のどちらが強いかとか、友達との距離についてとか、深い内容の会話に発展することもある。おたがいバックグラウンドがまるで異なるので、共通する考えや全く違う部分が発見できておもしろい。知識や考え、絵の描き方や画材、料理、食材、本等々、一緒に住んでいるからこそ"場"を設けなくてもいろいろ共有できる。

インド人の友達がチャパティをご馳走してくれた
インド人の友達がチャパティをご馳走してくれた

今朝このエッセイを書いていたら、クレープを作ったから食べてみてと友達が部屋まで持ってきてくれた。夜遅くに探鳥会から帰ってきたときは、ちゃんと帰ってくるか心配だったから、とキッチンの明かりをつけて待っていてくれた。留学生活に家族ができたようで、本当に安心して暮らせている。

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第11回 夢が実現!

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

イギリス人野生動物画家ジョン・バズビー氏に会いに

前回の体験談を書き上げた翌日、新しい家の契約手続きすべてを友達にお願いして、一週間のスコットランド旅行にでかけた。8000語のエッセイを書いていた際に、わたしが尊敬するイギリスの野生動物画家のひとりジョン・バズビー氏のアドレスを偶然に見つけ、思い切って手紙を書いてみたところ、幸運にもお会いできることになっていたためだ。

イギリスへの留学を本気で考えはじめたころ、サンダーランド大学で環境イラストレーションを学ばれた神戸宇孝さんにお会いし、学校の課題で描かれた作品やイギリスから持ち帰られた画集などをたくさん見せていただいた。イギリスの野生動物画家の作品を集めた本をめくるなかで、わたしが必ず手を止めて見とれてしまうのがジョン・バズビー氏の作品だった。イギリスに来てからは、オンラインサイトで簡単に安く本が買えるので、荷物を増やせば帰国する際に困るとわかっていながらも、バズビー氏の画集や著作を何冊も買ってしまった。8000語のエッセイを書くにあたっても、鳥の絵に対するバズビー氏の見方をとても参考にしていたので、いつか直にお話を聞いてみたいと思っていた。

イギリスにいられるのはあと一年もなく、この夏を逃したらお会いする機会はないかもしれないと考え、思い切って手紙を出してみた。学生という特権を利用してあちこちの現場に出かけ、第一人者に話を聞いてみるべきだというのは、農工大学時代に野生動物関係の活動をするなかで先輩や同輩から学んだ姿勢だ。投函して数日後に、お返事のメールをいただいたときのうれしさは忘れられない。英語にはいわゆる敬語表現がないので、こういう少々フォーマルなやりとりをする際、自分が書いている言葉使いが礼儀に適っているかどうか不安になる。ともかく最大限の努力をしてメールを交わした結果、6月に海鳥を描くコースがあるので、期間中の夕方に訪ねれば、参加している他のアーティストにも会え、コースでみんなが描いた絵も見られるというので、それに合わせて出かけることにした。

6月23日の夕方8時、恐る恐る指定されたホテルに入ってみると、まだコース参加者とお食事中で、わたしもテーブルに交ぜていただいた。とてもアットホームな雰囲気で、どの人も気さくに話しかけてくれたのでありがたかった。その後、ラウンジに移り、コース参加者がその日の成果を見せ合う時間になった。同じ風景、海鳥をいろいろな画家がそれぞれのスタイル、画材で描いた絵が見られ、さらにその作品に対するバズビー氏のコメントを聞くことができるという、またとない機会になった。本や画集は日本で買えても、直接お話を聞くことは、イギリスに来なければできない。

あこがれのメイ島へ

Ms_togo_Jul-1.jpg イカナゴをくわえたニシツノメドリ
あこがれのメイ島                         イカナゴをくわえたニシツノメドリ

スコットランドに行ったもうひとつの理由は、繁殖しているニシツノメドリを見ることだった。海鳥研究で有名なフォース湾沖に浮かぶメイ島に上陸するボートツアーというのも見つけて、参加してみた。メイ島は自然保護区としてスコットランド自然遺産局により管理されている小さな無人島で、一般の人は基本的に数時間しか滞在できない。運よく晴れた朝、防水用の服を着込み、12人乗りのゴムボートで島に向かった。海上にはシロカツオドリ、ニシツノメドリ、ウミガラス、オオハシウミガラスが飛びまわっていた。ニシツノメドリはナデシコ科マンテマの花畑のなかに巣穴を作っている。わたしが訪れたときは、イカナゴをたくさんくわえて中に入っては、またエサをとりに出て行っていた。まさに夢の島だった!

イギリスに来たらやりたいと思っていた夢がふたつも叶い、夏休みを満喫している。それもこれも、面倒な契約手続きを引き受けてくれた友達のおかげだ。

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第10回 部屋探し

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

留学生活2年目、大学所有の家を出る

6月末でいま住んでいる大学所有の家を追い出される。学生数の割に大学が持っているアコモデーションの数が限られているせいもあり、基本的には2年目以降の生徒は自力で住むところを確保しなければならないようだ。しかも学校のアコモデーション・オフィスは、民間運営の部屋や家を探すサポートをしてくれるわけではまったくない。

ケンブリッジでは、3部屋、4部屋の家が最も多いので、ほとんどの学生は居住時期が同じ友達同士でグループを組み、家一軒を借りてシェアしている。もちろんシェアハウスの1部屋を探すことも可能で、実際に友達ができる前の最初の一年は、イギリス人もみんな知らない人同士で住んでいる。でも、どんなハウスメイトにあたるかは運次第になるので、気の合う仲間でグループを作った方が生活は保障される。わたしは仲のよいクラスの友達3人と夏以降は一緒に住もうと約束していたので、5月頭から4人で住める家を探し始めた。そしてこれが非常に難航している・・・・・・未だに契約に至っていないのだ。

ケンブリッジは学生の数がとても多く、アコモデーションは常に不足気味だ。学期が終わるこの時期は引っ越す学生が多いので、家探しには一番良いはずなのだが、一方で多くの学生が次年度の住まいを求めているので競争率も高い。どこも基本的には早い者勝ちで契約できるかどうかが決まるので、すべてのプロセスが倍速、三倍速かと思うような速さで動いている。留学生ばかりのわたしたちは、ここでのハウスハンティングのやり方を学ぶまでに、けっこう時間を費やしてしまった。

手数料を払って不動産屋を通して借りればもう少し楽なのかもしれないが、無駄なお金を払いたくない学生はインターネットで情報を探し、直接大家にコンタクトを取っている。Gumtreeやrightmoveといったサイトを定期的に見て、自分たちの条件にあった物件があれば電話をして、部屋、または家を下見するアポイントをとる。月£1500前後の高い物件はそれなりに数があるのだが、安くて、大学や駅からあまり遠くなく、許せる程度の大きさがある家はなかなか見つからない。とくにわたしたちは、あと半年しか授業がないため、最短契約期間が1年未満のものを探さなければならず苦労している。しかもよい物件には、最初の下見の機会に5グループ前後はかならず集まるし、下見後、数分から1時間以内でだいたい誰かに抑えられてしまう。つまり早い日付・時間の下見のアポイントを取ったグループが最もその家をゲット出来る可能性をもっている。サイトにアップされてから2日以上経った物件は、下見の機会すら得られないことが多い。だから毎日そわそわと、何回もサイトをチェックする羽目になった。そして下見後にそこで良いと思ったらその瞬間に電話しなければ、他のグループに取られてしまうので、別の日に下見を予約した他の場所とどちらにしよう、などと比較している余裕もない。常に一件一件に対してTake it or leave it と選択を迫られるのだ。最初はサイトに書かれているメールアドレスに連絡していたのだが、メールやネットからの送信フォームは見てもらえるのが遅く、無視されることも多い。ハウスハンティングには、携帯電話をしっかりトップアップしておくことが重要らしい。

ケンブリッジにいてもこれだけ苦労しているのだから、日本から家を探そうと思ったらかなり厳しそうだ。大学所有のアコモデーションを一年生のために空けてあるというのもうなずける。ケンブリッジの街中であれば、4部屋の家は、水道代や電気代抜きでひと月£1200から£1500が相場のようで、大学が提供してくれる部屋のほうがよほど安く条件が良い。書類1枚でここに入れたのは本当に幸運だったと実感した。

6月末にはいまの場所を追い出されるということで、タイムリミットが近づき不安にもなってきた。でも幸い、いまのハウスメイトの友達が、契約期間の関係上、8月半ばまで空き部屋を持っていて、困ったらしばらくそこに住めばよいと言ってくれている。クラスの友達も、荷物を置かせてくれるというので、ホームレスを免れる手はずは整えた。学生の町なので、困ったときには助けてくれる人も多い。「落ち着いて、落ち着いて。何とかなるよ。あんまりイライラしたら老けちゃうよ」とハウスメイトは慰めてくれる。

と、ここまで書いたところで、本日、無事に7月から入れる家を決めることができた! あとは契約手続きに問題がないことを祈るばかりだ。

もうすぐお別れになってしまう現在のハウスメイトたちと、二度目にしておそらく最後のディナー
もうすぐお別れになってしまう現在のハウスメイトたちと、二度目にしておそらく最後のディナー

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第9回 8000語のエッセイ

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

2学期の二つ目のモジュールは8000語のエッセイ

なんとか8000語のエッセイをやっつけた!

今期の後半は、イースター休暇も含めて、エッセイを書くためにずっと引きこもり状態だった。ここひと月ちかく、日中は20度を超えてTシャツで十分なほどの陽気がつづいていたので、友達と川沿いの公園でピクニックをしようと話していたのに、誰もそんな余裕はなく、とうとう実現しなかった。

2学期の二つ目のモジュールは、絵本やイラストに関わる内容でテーマを選び、それに関して研究をして6000−8000語のエッセイを書くというものだった。Dissertationとは呼ばれてこそいないけれど、修士論文的な位置づけのエッセイだ。ただテーマは自分の作品に何かしら関係がある題材でなければならず、エッセイに書く内容も、ただ学術的に調べた内容を書くだけではなく、テーマと自分との関わり、自分の作品についての言及、研究成果をどう自分の作品に活かすかといった、自己分析を含まなければならない。

わたしは自然科学をテーマにした絵本について書き、自然をどの程度正確に、リアリスティックに描くべきか、ということについて考察した。題材となる絵本を探すのが大変で、市の図書館や書店の児童書コーナーに座り込んだり、子どもの本を扱う古本屋をのぞいたりもした。

もちろんケンブリッジ大学の中央図書館にも、絵本は揃っており、いくつか閲覧してきた。アングリア・ラスキン大学の在籍証明と住所が確認出来るものがあれば、図書館のカード(顔写真入り!)を発行してくれる。ただ本を借りることはできない。館内に入ると本の重みを感じた。立ち並ぶ古い本、静けさに、入っては行けないところに迷い込んでしまったような、後ろめたさを感じる。廊下の窓沿いに置かれた机で本を読めば、学者か作家にでもなったような気分だ。ほとんどの本は書庫にあるので、データベースの中から読みたいものを探しリクエストを出す形になっている。それぞれの本がある部屋のカウンターにリクエストの紙を出すと、数十分から一時間で用意してくれた。本は種類によっては館内持ち歩き自由で、読み終わった後はどこかの机にのせておけばよいようだが、一部はその部屋からも持ち出せず、写真も撮れない。ここを使いこなせるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。

ケンブリッジ大学の図書館に入った証拠品!
ケンブリッジ大学の図書館に入った証拠品!

エッセイを書くモジュールに入ってから、クラスメイトに会う機会がめっきり減ってしまった。エッセイは互いの進歩状況を見せ合うというものでもないし、チュートリアルはメールでアポイントをとる形式だったので、スタジオで出会う機会も限られてくる。このモジュールで、友達がなにをやっていたのか結局わからずじまいだった。実技以外の専攻を学んでいる人は、年中こんな感じなのだろうか。自分の作品づくりを通してだけでなく、クラスメイトの制作過程をみたり、それに対するチューターや友達のコメントを聞いたりすることが大きな刺激になっていたので、こうも個人作業だとちょっと物足りなさを感じた。

ハイイロガンの親子。繁殖期まっただ中にエッセイを書いていたのがくやしい。
ハイイロガンの親子。繁殖期まっただ中にエッセイを書いていたのがくやしい。

8000語の文章を書き、まとめるのには相当苦労した。英語で思考し、自己分析をするだけの語学力がまだないので、のろのろと英文を作っていくうちに、自分が何を言いたかったのかわからなくなってくる。日本語で書いているときのように、できあがった文章をスクロールして、どこで何を語ったかを瞬時に目で確認したりもできないので、何日もかけて長々と書いているうちに、重複する内容が点在してしまったりもする。考えるという作業は、多分に言語力に依存しているのだと感じた。

最後の数日、まだ苦戦中というメールを友達に書きおくったら、「いまから月曜日の提出時間までの間に何かしてほしいことがあったら、なんでも、どんなことでも手伝うから言ってね!」などと言ってくれて、とてもうれしかった。イギリス人のハウスメイトも文法やスペルミスから、引用情報が抜けている部分まで、通しで読んでチェックをしてくれた。本当にいろんな人に助けられている。

そして無事に今期すべての課題の提出を終えた今日から、すでに夏休みだ。次の授業は9月半ば。これまで一度だって休みが長いと文句を言ったことなどなかったけれど、4ヶ月はちょっとどうしよう、と思ってしまう長さだ。

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第8回 Bologna Children's Book Fair

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

日本はちょうどお花見シーズンだろうか。 イタリア旅行から帰ってきたらイギリスはすっかり春になっていた。日中の気温は20度近く、アイスクリームを食べながら公園の芝生に寝そべっている人がいっぱいいる。サマータイムに切り替わったせいもあり、夕方は八時近くまで明るい。シラコバトの求愛を眺めながら夕飯をつくるのが日課になっている。桜はすでに盛りを通り越して葉が出ており、日本よりも一足、春が早いような気がする。未だに地震の影響で停電中だという地域に分けてあげたい、明るさと暖かさだ。

ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア Bologna Children's Book Fair

3月末、クラスメイトとともに、第48回ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア(ボローニャ国際児童図書展)に行ってきた。授業としては、このフェアへの参加は自由だったが、わたしのクラスからは21人中18人、教授陣も3人が参加した。当然、この週はいわゆる授業は行われない。各自で勝手に飛行機や宿をとり、当日会場でばったり会うことを期待しよう、という自由度だったので、わたしは仲の良い3人と一緒に行くことにし、前後の休日を利用してフィレンツェ、ヴェニス、ピサ、トッレ・デル・ラーゴをまわる11日間のイタリア旅行をしてきた。

ブックフェアの入り口で
ブックフェアの入り口で

毎年イタリアのボローニャで開催されているこのフェアは、子どもの本の業界では世界最大の見本市で、今年は65ヵ国から1200以上の出版社が出展したという。出版社がブースを構えて新しく出した本を展示し、翻訳出版するための版権を取引するのが、このフェアの主な目的だ。しかし世界各国からの出版社が一堂に会する貴重な場でもあるため、各国/各社の出版物の傾向やその年の状況をつかもうと、イラストレータや翻訳者も多く参加している。ボローニャ国際絵本原画展のその年の入選者の作品も飾られ、イラストレータ向けの講演も開催される。出版社によっては、イラストレータのポートフォリオを見てくれるところもあり、自分の作品を売り込める可能性もある。

出版社ブースの様子
出版社ブースの様子

会場に入って、まずは出版社の数、本の数に圧倒された。気になる素敵な絵本がたくさんあり、目移りしてとても全部をじっくり読んではいられない。クラスメイトの中には、売り込みに熱心な人も、講演をたくさん聞きに行っている人もいたが、わたしは主に会場を歩きまわり各ブースの内容をじっくりみてまわっていた。

最も興味深かったのは、国によって出版している絵本のテイストが全く異なることだ。イギリス、アメリカは商業路線のものが多く、イタリアとフランスは芸術的な絵本が多かった。自然科学の絵本においても、リアルな動物の絵の図鑑は、英米ブースでは見かけても、イタリアやフランスの出版社にはほとんどなかった。あるイタリアの出版社の動物シリーズは、アーティスティックにデフォルメされた、逆に言えば写真的な正確さのない絵を用いていて、非常に刺激を受けた。またドイツとスウェーデンの絵本には、やわらかいけれど写実的に自然を描写した本がたくさんあった。わたしもコース中に描いた作品をふたつ持って行ったので、いくつかの出版社では実際に作品を見てもらった。編集者によって手に取る作品、指摘する点が異なり、時に正反対のこともあった。自分にあったマーケットを探すのはとても重要なことらしい。そして自分が目指すスタイルの出版社をチェックできるのも、フェアの魅力かもしれない。

3日目、大ニュースがあった。クラスメイトのひとりが、ある出版社から契約オファーをもらったのだ! ふらりとブースに入って、先日まで作っていたコースワークの作品ダミーを見せたら、その場でいくらいくらで、と言われた、と興奮していた。チャンスはあちこちに転がっている。わたしもがんばらなくては。

フィレンツェのドォーモの上でもスケッチ
フィレンツェのドォーモの上でもスケッチ

イタリアの太陽と鮮やかな色の建物、おいしいピザとジェラートを楽しみ、たくさんスケッチもして帰ってきたら、もう四月。早く8000語のエッセイを終わらせて、次の作品のアイディアを練りたいものだ。

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第7回 Second Semester

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

太陽が6時半には昇るようになった。クロウタドリがさかんにさえずっていて、日々春を感じている。プロジェクトの課題が忙しくて、フィールドに出られないのがもどかしい。

2学期のモジュールでは実際の絵本作り

2学期はじめのモジュールは、実際に子どもを対象にした絵本、または一連のポストカードなどを作るというものだった。内容に制約はなく、わたしのように自分で話と絵を作った人もいれば、童話や詩、オペラの挿絵を描いた人、昔話の再話を試みた人、生物の集合名詞を覚える本、中国正月を紹介する絵本を作った人もいた。リソグラフやモノプリントなどのプリントメイキング技法に挑戦している人が数人いて、ちょっとうらやましかったが、わたしは6週間しかないことを考慮して、絵本という形に作品をまとめるという基本をマスターすることに専念した。

わたしが今、作りかけている絵本のページ
わたしが今、作りかけている絵本のページ。女の子がなかなかうまく描けないので、ヨーロッパアオゲラが出てくるページばかりが先にできあがってしまった。

このプロジェクトでわたしが一番苦労したのは、主人公の女の子のキャラクターデザインだ。話の中で想定した5、6歳の子どものプロポーションがなかなか掴めず、大きくなりすぎたり、小さくなりすぎたり.・・・。そして異なるポーズ、別の角度からでも、同じ子になるように想像して描くのは難しい。これにはクラスメイトにずいぶん助けられた。自分の4歳の子どものパーティーに招いてくれたり、子どもがいる知り合いを紹介してくれたりして、お菓子を食べたりお遊戯をする子をスケッチする機会を得た。子どもの表情を描く参考資料を貸してくれた友達もいた。個人での作業が基本のコースではあるけれど、一緒に学ぶ仲間の存在は大きい。

先輩の卒業展覧会

2、3月はひとつ上の先輩(実際には一年上のフルタイム学生と二年上のパートタイム学生)の卒業展覧会が開かれた時期でもあった。まずはロンドンの書店の4階で10日間、そして学校のギャラリーで6日間開かれた。ロンドンの展示での内覧会には多くの出版社が集まったそうで、何人かは実際に絵本として出版する契約を結んだと聞いた。わたしがいま取り組んでいたモジュールで作った課題を卒業制作とともに展示している先輩も多く、自分の1年後を意識させられた。

ロンドンの書店で開かれた先輩の卒業展示
ロンドンの書店で開かれた先輩の卒業展示

学校のギャラリーでの展示風景
学校のギャラリーでの展示風景

最近よく友達と進路の話をする。貯金をすべてつぎ込んで、またはローンを組んで学びに来ている人が多いので、みんな見えない未来に不安ばかりだ!1年後にどんな成果を得ているかは、蓋を開けてみないとわからないが、逆に言えばあと1年間で何ができるかにもかかっている。いろいろ経験、勉強して、制作に取り組まなくてはと感じた2月だった。

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第6回 RSPB(王立鳥類保護協会)での活動

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

ようやくというべきか、早くもというべきか2学期がはじまった。久しぶりに顔を合わせたクラスメートと休み中の出来事を語りあい、返却されたお互いの課題を見せ合ったのも束の間で、すでに次のプロジェクトがはじまり忙しくなった。今回のエッセイでは、アート留学とは直接、関係はないが、留学を考えている人のなかにはバードウォッチャーもいるかもしれないので、課外活動としてわたしが参加しはじめたRSPB(王立鳥類保護協会)ケンブリッジ支部での体験をまとめてみた。

RSPB(王立鳥類保護協会)ケンブリッジ支部に入会

バードウォッチングが好きなわたしは、10月初めに自転車を買い、すぐさまケンブリッジ市内から15キロほど離れたWicken Fenというナショナル・トラストが運営する自然保護区まで行ってみた。今から考えると、10月はまだ日が長かったからこそ、気軽に遠出できた気がする。そのとき、鳥を見るための小屋でたまたま出会い、声をかけてくれた女の人が、鳥が好きならRSPBのケンブリッジ支部に入るとよいと紹介してくれたので、すぐにメールを書き入会した。RSPBはイギリスで一番大きな自然保護団体で、それぞれの地域に支部が存在する。

わたしが入ったのは支部なので、ケンブリッジを中心にした地域のバードウォッチャーのこぢんまりとした集まりだ。年配の人がかなり多いが、若い人も数人はいる。外国人にもひとり会った。まず驚いたのは年会費が10ポンドと、日本の各種団体の会費と比べるとずいぶん安いことだ。これはRSPBに限ったことではなく、Wildlife TrustやCambridge Bird Clubなどをみても同じようだ。団体運営に対するサポートがしっかりしているからか、会員数が多いからなのか、理由はわからない。

RSPBでの活動の様子

わたしが入会した支部では、月に一度、平日の夕方に屋内の例会、休日に探鳥会がある。例会はケンブリッジ大学や教会の部屋を借りて、スライドを見ながら講演を聴く。ポーランドで自然保護活動をしている人を呼んで現地の話を聞いたり、East Anglia周辺を活動拠点にしている写真家のスライドを見たりと内容はさまざまだ。探鳥会は市内から車で1-2時間ほど離れた自然保護区での開催が多く、公共の交通機関では行けない場所がほとんどだが、事前に連絡しておけば、市内から乗せていってくれる人をアレンジしてくれる。その場合は、ガス代として距離に応じて5から10ポンドほど払う。自分の車を持っていても、環境保護のためにカーシェアリングをする人もいる。

11月の探鳥会ではノーフォークのHolme Dunesという自然保護区に行き、ビーチ、海岸沿いの草地や湿地で鳥を観察した。タゲリやダイシャクシギ、タシギ、ヒドリガモなど日本で馴染みの種、コクガンやハイイロガン、メンフクロウ、ヨーロッパチュウヒ、ヨーロッパヤマウズラなど日本では滅多に、または全く見られない種など50種近くの鳥を見た。この地域ならではの真っ平らで霧がかかった湿地風景も感動的だった。

ノーフォークHolme Dunesでの探鳥会風景
ノーフォークHolme Dunesでの探鳥会風景

ノーフォークにあるRSPBの自然保護区Titchwellの風景
年末に鳥見に連れて行ってもらった、ノーフォークにあるRSPBの自然保護区Titchwellの風景

大学で学んでいるだけでは、学生以外の知り合いをつくるのは難しい。そういう意味でこのRSPBへの参加は、実際にケンブリッジ周辺に住んでいる地元の人と知り合うきっかけとなったのでとてもよかった。この会で知り合った人と何度か鳥見に行ったり、BBCの鳥系の番組がインターネットで見られることを教えてもらったりと世界が広がった。また、わたしにとっては、絵やストーリーのネタ探し、自然を直接見て、スケッチするという意味でも貴重な機会になっている。2月半ばにはEstuary Birdwatchingという週末のツアーに参加してみる予定だ。

1月の探鳥会で行ったRSPBの保護区Rye Meadsで見つけた。
保護区にある展示はユニークなものが多く、内容面でも展示の仕方の面でも勉強になる。これは1月の探鳥会で行ったRSPBの保護区Rye Meadsで見つけた。

●お知らせ●
わたしが在学しているコースがNHK BS1のガッチャンという番組で紹介される予定です。
2月11日(金) NHK BS1 18:00-18:20
「夢を描け!イギリス絵本学部」ほか

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第5回 First Semesterの課題提出

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

あけましておめでとうございます。年明け直後の1学期分の課題提出を終え、2週間ほど真の休暇に入った。何しろクリスマスもお正月も、エッセイと課題の絵を仕上げるのに追われ、ちっとも気兼ねなく遊べるような状況ではなかったのだ。

イギリスのクリスマス

12月頭、最後の授業が終わった数日後に、コースの友達、ハウスメイトのほとんどがクリスマスを過ごしに家へ帰ってしまった。12月半ば過ぎには、ケンブリッジに残っている友達はほとんどいなかったようだ。実際、こちらに残っていてもスタジオはクリスマスからお正月明けまで閉まっており、図書館も29、30日にセルフサービスが数時間開いているほかは閉館しており、何ができるわけでもない。その割には年明け5日が課題の提出日になっているので、プリンターやスキャナーといった設備が必要な場合には注意が必要だった。課題はクリスマス・イブまでに目処をつけて、残りの休暇は家族とゆっくり過ごしなさいということだったのだろうか。

イギリスでは、クリスマスと翌日のボクシングデーは、学校はもちろん、お店も閉まり、電車も動かない。一人でぽつんと過ごしたら、ちょっと心細かったかもしれない。幸いわたしは、クリスマス休暇中、親戚の友人一家と過ごさせていただいた。ブランデーをかけて火を灯すクリスマスプディング、中からおもちゃと紙の冠が出てくるクラッカー、ジェスチャーから本や映画のタイトルを当てるゲーム、シャレーズなど、雰囲気を満喫した。

クリスマスランチの様子
クリスマスランチの様子

クリスマス前に積もった雪がまだ残っており、人生初のホワイトクリスマスでもあった。こちらでは、クリスマスは家族や親戚が集まるとき、そしてむしろお正月は友達とカウントダウンや花火、パーティに出かける日のようだ。元旦はエッセイに追われていたこともあり、課題提出のために戻ってきた友達を呼んで、3人でささやかに切り餅のお昼を食べた。醤油版ときなこ版と作ったら大好評で、また食べたいとせがまれている。

First Semesterの課題提出

1学期はモジュールが2つあり、それぞれに対してアートワークと短いエッセイを提出した。エッセイは1500語ずつ(A4に4枚程度)とそれほど長いものではなかったが、英語で書くのはやはり苦労した。特に文章にイラストをつける際、どういうことに気をつける必要があるか、という漠然とした理論を展開する部分や、日本の絵本や資料について英語にするのは難しい。逆に絵本を1,2冊選び、どういう点について良く出来ていると思ったか言及するというエッセイは、英語の絵本を選んだため頭に入ってきた時点から英語になっており、意外にすらすらと進んだ。

アートワークは、第1モジュールでひたすら描きためたスケッチブックすべてと、連続したイメージを作るという第2モジュールの作品の原画やダミーブック、アイディアを練る際に用いたスケッチブックなどが審査の対象となった。課題の提出は、日にちと時間が決まっていて、直接スタジオに持って行かなければならない。2日前まで大学が休みだったせいで、提出時間の前は、図書館やスタジオのプリンターは大混雑だったようだ。こちらに移ってきた当初、思い切って買ったスキャナー付きプリンターの存在がとても心強かった。

第2モジュールでわたしが作った連続したイメージ。 印刷し、自分で簡易製本をして提出した。わたしの第一作だ!
第2モジュールでわたしが作った連続したイメージ。印刷し、自分で簡易製本をして提出した。わたしの第一作だ!

2学期がはじまるまでしばらく余裕がある。次のモジュールのアイディアを練ったり、スケッチから絵を描きおこしたり、旅行したりと、学期中にできなかったことに時間を割きたい。

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第4回 アコモデーション

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

11月半ばから町はクリスマスショッピングのムードで満ちあふれている。先日、ハウスメイトが1メートルほどのクリスマスツリーを買ってきてくれ、コモンルームが一気に華やかになった。

アコモデーション

わたしが住んでいるのは大学所有の家のひとつで、キャンパスに接している。わたしを含め6人でキッチンとコモンルーム、バスルーム、シャワールームをシェ アしている。女性4人、男性2人で、そのうちイギリス人が3人、EUからの留学生が2人、そしてわたしという構成だ。はじめは男女混合というのに驚いた が、却ってさっぱりした関係が生まれて快適だ。部屋決めに院生/学部生、性別、人種などが考慮されたわけではなさそうだが、たまたま院生ばかりの家で、非 常に良いメンバーにめぐまれた。

わたしの部屋。自由に装飾できる大きなコルクボードがあるのが気に入っている
わたしの部屋。自由に装飾できる大きなコルクボードがあるのが気に入っている

家の設備もとくに不自由はない。部屋は驚くほど暖かく、外が零度前後でも、中は20度近くを保っている。ただ、バスルームにシャワーがなく、シャワーは別 の部屋の70㎝四方のボックスの中だったり、水道が2つの蛇口に分かれていて、非常に熱いお湯か、非常に冷たい水が出るだけで、決して生ぬるい水にはなら なかったり、とちょっとしたイギリスらしい?不便さはある。キッチン用具は、イギリス人のハウスメイトが大方、家から持ち込んできてくれ、どれも自由に使 わせてくれるので、全くお金をかけずに済んでしまった。

それぞれが自分のコースに忙しく勝手に生活しているので、ハイウスメイトと一緒に ご飯を食べたり何かをしたりという機会は残念ながらあまりない。でも共有部屋の掃除や、トイレットペーパーなどの買い出しは持ち回りでやっており、キッチ ンで会えばひとしきりしゃべったりもする。

ケンブリッジでの生活費

わたしのコースは留学生が多く、みんなが質素に暮らしているので、生活費は思ったほどかからずに済んでいる。本や画材、旅行費などをのぞき、純粋にケンブ リッジ内で生活するには、1ヶ月150ポンドあれば十分に足りそうだ(家賃はのぞく)。外食はお金がかかるし、学食はまったく充実していないので、基本的 には3食完全に自炊する日々だ。わたしが住んでいるエリアは中国、韓国の食材店が数軒あり、醤油や米、味噌をはじめたいていの日本食材も手にはいる。いつ も水筒を持ち歩いてカフェ代をもけちっているが、毎週、水曜日の昼は、友達4人と一緒に料理してちょっと豪華な食事会を開いている。

キッチンでランチパーティの準備中
キッチンでランチパーティの準備中

先週のメニューは大きなパスタにリコタチーズを詰めてオーブンで焼いたもの、インドのスープにサラダ、バケットだった。外国の料理を学びつつ、お互いのプロジェクトの状況を報告しあったり、アドバイスしあったりするとても良い機会になっている。

最 近、朝は7時になってもまだ真っ暗で、夕方4時はすでに薄暗い。朝晩は凍るような寒さで、先日、雪が少し積もった。今年は例年以上に寒いらしい。この寒さ と、クリスマス休暇前に課題を少しでも終わらせたいという思いとで、この頃はもっぱら暖かく快適な家にこもって2つめのモジュールの室内作業にいそしんで いる。

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第3回 一週間の時間割り

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

渡英してから6週間が経った。毎週、一週間が過ぎ去る速度が早くなっているように感じる。今回は一週間の時間割と最初のモジュールについて書くことにする。

一週間のタイムテーブル

わたしのコースは卒業までに5つの必修モジュールがあり、それを順番にこなしていくという実に単純なスケジュールになっている。選択科目はなく、コース内の全員が同じ授業を受ける。とはいっても美術専攻なので個人作業が大半だ。

今学期、学校に行かなくてはならない日は週に3日間。火曜日と木曜日が個人指導の日で、その段階までに描いた作品を先生に見せてアドバイスをもらい、今後の方針を相談する。朝9時にスタジオに集まって出席をとり、連絡事項を聞いたあとは、個人指導のアポイントをとってすぐに解散、自分の時間にスタジオに戻ってくればよいだけだ。

水曜日は15時から1時間だけ講義がある。これは毎回異なる絵本作家、本の挿絵やカバーデザインをする人が来て話をするオムニバス形式のもので、パワーポイントのスライドを使って自身の作品を紹介してくれたり、絵本作りにおいて考えるべきこと、出版社とのやりとりで必要なことなどを語ってくれたりする。

授業風景
授業風景

今学期の終わりには、この講義の内容を踏まえた10個の質問のうち2つを選択し、それに答える形でエッセイ(1500語)を2本書くことが課題のひとつになっている。このほかモジュールとは関係なく、月曜日の午後に自由参加のライフドローウィング教室が美術コースに在籍するすべての学生に対して開かれており、実際のモデルを使った人物デッサンの練習に参加している人が多い。

最初のモジュール

最初のモジュールは、Observation & Experimentといって要するにスケッチ、ドローウィングだ。はじめに自分が観察したい対象や場所、動きを決め、6週間できるかぎり多くスケッチをするという課題だ。成果は学期の終わりにスケッチブックの状態で提出する。わたしはケンブリッジを流れるカム川に棲む生き物と川で過ごす人々をテーマに選んだので、毎日のようにスケッチブックを持って川に行き絵を描いている。すでにケンブリッジは最高気温が10度前後、最低気温が5度以下なのに、野外に長時間座って絵を描いているので、日々、文字通り凍えている!

基本的に常に自由だが、片時もスケッチブックを放せないというのが現在の生活だ。週末、友達と郊外に遊びに行くにしても、スケッチブックは必須で、結局はみんなで絵を描いている。

日曜日、郊外のグランチェスターへ遊びに行き、みんなでスケッチをした
日曜日、郊外のグランチェスターへ遊びに行き、みんなでスケッチをした

絵本のイラストを描くコースに入ってきて、絵本向けか、子ども向けかどうかも関係なく、とにかくフィールドスケッチをさせられる現状に戸惑っているクラスメイトも多い。でも3次元から2次元平面に絵を描きおこす、スケッチをするという作業に重点を置くのはこの学校の特徴だともいえる。

また、イギリスの画家やイラストレーターは、教授の言う"スケッチブックパーソン"が多いようだ。実際に講義に訪れた作家のスケッチブックを見ても、出版された絵本の一シーンや一部分がぎっしり詰まっており、スケッチがそのまま完成品に繋がる様子がよくわかる。自分の頭の中の世界を描くにしても、そのイメージも必ず何かしら現実のものから作られたはずだから、と先生は話していた。

IELTSのスコアを何とかぎりぎりクリアして潜り込み、クラスでも英語が流暢でない4人のうちのひとりではあるが、ありがたいことに今のところ英語ではあまり困っていない。個人指導は基本的に一対一なので、先生がわかるまで噛み砕いて説明してくれる。講義も絵を見ながらその説明を聞くのでとてもわかりやすい。ただ美術以外の分野の留学生が授業の英語で苦労しているのは確かなようだ。

★留学に関するご相談はこちらから【無料】

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第2回 授業開始

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

いよいよ授業開始!

自分のスタイル、モチーフをしっかりと持っている人が多い

インターナショナルオリエンテーションがあったWelcome Weekや、コースのInduction SessionがあったFreshers Weekなど、町や学校、寮の環境になじんだり、生活用品を整えたり、友達を作ったりという、生活をはじめるための期間が終わり、とうとう今週から授業が始まった。

最初の授業は、パワーポイントによる自己紹介だった。これまでの自分の作品をまとめたスライドを作ることが、7月から課題として与えられていた。Children's Book Illustrationをフルタイムで学ぶ学生は今年度、20人強おり、留学生が半分以上を占めている。その中ではアメリカ人が5人と多勢だ。

美術学部の教室があるRuskin棟。去年、100周年を迎えた、構内で一番古い建物だ

美術学部の教室があるRuskin棟。去年、100周年を迎えた、構内で一番古い建物だ

学生のバックグラウンドは多種多様で、イラストコースの学部を出ている人がもちろん多かったが、テキスタイルデザインやファインアートを学んだ人、わたしのように美術と関係のない学科を学んだ人も数人いた。画風は水彩を用いる人が多い印象だったが、白黒の緻密なペン画の人、デジタル画をメインとする人、漫画風の人、リノリウム版画を作る人とバラエティに富んでいた。自分のスタイル、モチーフをしっかりと持っている人が多い。修士課程で留学するには、キーとなる自分の画風を持っていることは重要なのかもしれない。

アート留学実現のために欠かせないポートフォリオ審査とは?

模索しながらポートフォリオを作成

アート留学の場合、ポートフォリオ審査が入試に相当することが多い。今回は留学準備の一環として、ポートフォリオ作りについて少しお話したい。

いくつかの美術大学がbeo主催の留学フェアの場でポートフォリオを見てくれると知り、わたしは9月半ば、日本の大学での卒業論文の調査が一段落するとすぐに、ポートフォリオ作りに取り組んだ。第1回で述べたように美術大学を出たわけではないので、どのようなものを作ればよいのか全くわからず、非常に悩んだ。

もう少しよい方法があるに違いないが、最終的にわたしが作ったのは、以下のようなものだ。B4サイズのファイルを買ってきて、最初のページに簡単なプロフィールを載せ、次のページから一番見せたい作品や、今後イラストのコースでやりたいプロジェクトの内容に近い作品から順に、数行のキャプションとともに入れていった。出版物とB4に入らない大きな作品はコピーを、小さな作品は原画を入れた。

わたしが作ったポートフォリオの1ページ

わたしが作ったポートフォリオの1ページ

作成までの過程も評価の対象

イギリスの大学のポートフォリオ審査では、完成作品だけでなく、それを作るに至った過程のスケッチやメモも重要視されると聞いていたので、それぞれの完成品の横に構図を決める段階のラフイメージや、結局用いなかった案などを描いたスケッチも配置した。キャプションを事前に作っていたことで、多少なりとも当日、自分の作品を英語で説明しやすかったように思う。ある美大のオフィサーからは、後ろのほうに過去の未熟な作品を入れるのは却ってよくないと指摘された。

たまたまアングリア・ラスキン大学から来ていたインターナショナルオフィサーは、美術学部とは関係のない方だったので、再度、デジタルデータとして厳選して10枚ほど送ることになった。わたしは大学1年のころから4年ほどブログを続けており、そこにアップロードしていた絵も、審査の対象にしてくれたらしい。ネット上に作品をまとめて発表できる場所があるというのも、海外から出願する際には手軽でよいかもしれない。

★留学に関するご相談はこちらから【無料】
★【10/3・10/4】留学フェア開催!ポートフォリオ審査を行なう大学もあります!

アングリア・ラスキン大学で絵本アートを学ぶ 第1回 留学生活スタート!

Categories: アングリア・ラスキン大学 / アート&デザイン / 大学院留学
優秀な人材を輩出し続けるアングリア・ラスキン大学 Anglia Ruskin Universityのチルドレンズ・ブック・イラストレーション Children's Book illustration。同コースを卒業した日本人学生の中には、ニューヨーク・タイムズが選ぶ児童文学イラストベスト10に選ばれた方もいます。同コースに留学中の東郷さんの現地レポートをお届けします。

ケンブリッジに到着!

Welcome weekのイベントですぐに友達ができた!

小雨が降る中、大学が手配してくれた空港ピックアップサービスでケンブリッジに到着した。University Managed Houseに申し込んでいたので、その鍵をもらい、学生会の人に手伝ってもらいながらスーツケースを引きずり家まで行った。ハウスメイトはまだ誰も到着していない。大量のダイレクトメールに、マットレスだけのベッド、ひびの入った窓ガラス。バースルームからキッチンまで、すべてががらんどうの家にひとり取り残されて、ちょっとばかり呆然とした。ひとり用のコッヘルにシュラフなど、キャンプ用品を持って来たのは正解だった。

はじめこそ不安になったが、学校のWelcome weekのイベントは充実しており、いくつか顔を出すだけで簡単に友達をつくることができた。大学のメインエントランスには、この期間いつも赤いTシャツを着た学生会の人たちが居て、わからない事があれば何でも教えてくれる。

Ms_togo_Sep_1.jpg

ケンブリッジの町の様子(ケンブリッジ大学のキングス・カレッジ周辺)

ケンブリッジの町はとてもコンパクトにまとまっている。大学から町の中心までも歩いて数分で、当座の日用品の買い出しも困らなかった。電線が地下に埋まっているので、空が大きくスカイラインが美しい。

留学を決意したきっかけ

大学で環境を学ぶ傍ら、生物の絵を描き続ける

一度は海外で学んでみたいと、昔から漠然とは思っていたが、留学を本格的に考え始めたのは大学2・3年生のときだった。当時は東京農工大学に通っており動植物の生態や地域環境計画、環境教育などといった美術とは全く関係のない学科で学んでいた。しかしその傍らで生物の絵を描き続けており、在学中、幸運にもバードウォッチング雑誌に絵を描かせてもらい、環境教育のための紙芝居、リーフレット作り、学会のロゴデザインの仕事をいただくなど、絵を描く機会をたくさん与えてもらった。

美術のバックグラウンドはないけれど・・・

どうも自分は研究者には向いておらず、環境行政やコンサルティング業務にもあまり興味がわかないと気づく中、生物や自然環境を描くイラストレーターを目指したいと思い始めた。日本の大学には環境教育系のイラストを学べる専門的な学科があまりなかったうえに、美術を学んだバックグラウンドがないと3・4年間かかる学部に入るしかない。それならいっそのこと海外の大学のコースをと思い、時間を見つけてはインターネットで検索した。

イギリス、アメリカ、オーストラリア、どこの国にする?

はじめはアメリカやオーストラリアを含む英語圏の大学で、Natural History IllustrationやScientific Illustrationなど、より自然を描くことに特化したコースを探していたが、行きたいと思ったコースが数年前に閉鎖されていたり、図鑑の恐竜画のようなあまりにリアルで精密な絵を描くコースが多かったりすることがわかった。一般の人や子ども向けの絵を描きたかったわたしは、科学的でありつつもアーティスティックな作品に興味があった。そこで少し視野を広げて、出版物用のイラストが描けて、そのテーマを自由に決められるコースを探した。

身近な自然に目を向ける文化があるイギリス

かなり初期の段階から、イギリスの大学に的を絞った理由は主に3つある。ひとつは、小さい頃からピーターラビットに代表されるような自然をテーマにしたイギリスの絵本に親しんできており、それがわたしの自然好きと美術好きに大きな影響を及ぼしていると思ったからだ。アメリカのワイルドライフアートが非常にリアリスティックなのに対して、イギリスのものはあまり細部を描かず、生物の表情をとらえた水彩画が多い印象があった点もよかった。さらにイギリスは自然博物学の発祥の地であり、身近な自然に目を向ける文化があるからだ。

アングリア・ラスキン大学に決めた理由

最終的にAnglia Ruskin大学のChildren's Book Illustrationという絵本作りと児童書の挿絵などを学ぶコースを選んだのは、絵本というメディアには、わたしがやりたい環境教育の絵とかなり共通するものがあるからだ。また、このコースは絵本作りにおいて世界的にも知られた教授陣が揃っており、多くの卒業生が活躍している。beo主催の留学フェアで、卒業制作が実際に絵本として出版されることもあると聞き、現実の社会につながっているコースだとも感じた。ケンブリッジという学問の町にあり、大学も留学生の受け入れに積極的だった。

Ms_togo_Sep_2.jpg

アングリア・ラスキン大学の様子(中庭)

まだ、授業も始まっていないが、先日、コースの教授にキャンパスを案内していただいた。バードウォッチングが好きだと話すと、自分も小さいころは鳥を見るのが趣味だったと教えてくれた。日本の美大の先生には、あんまりいないタイプではないだろうか? イギリスに来てよかったと思っている。

★留学に関するご相談はこちらから【無料】
★【10/3・10/4】留学フェア開催!ポートフォリオ審査を行なう大学もあります!