歴史

柴田 広志さん

柴田 広志さん

留学先:エジンバラ大学 The University of Edinburgh
留学分類:大学院留学
専攻名:歴史 MSc The Hellenistic World / School of History, Classics and Archaeology
留学期間:2010年7月〜2011年8月
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エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第11回 修士論文(Masters Dissertation)

エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第11回 修士論文(Masters Dissertation)

Categories: エジンバラ大学 / 大学院留学 / 歴史
エジンバラ大学はイギリスのAncient Universityと呼ばれる6大学の中の1校で、長い歴史と伝統を誇るイギリス屈指の名門大学です。同大学で歴史 MSc The Hellenistic Worldを学ばれている柴田さんの現地レポートをお届けします。

修士論文(Masters Dissertation)

エディンバラ大学のTaught Masterの修士論文(Dissertation)提出日は8月19日でありました。私は幸いにして、前日に脱稿・プリントアウト、そしてバインドして提出、という手順を完了させたのですが、そうではない人は、当日は大変だったようです。

私の所属するSchool of History, Classics and Archaeologyでは、Taught Masterの規定は脚註を入れて13000~15000ワード、となっているのですが、コースブックを見直して、その規定に気が付いたのは、何と提出前日の深夜12時半。それまで脚註を含めないと確信、
『ああ、200ワードくらい下回っているから、楽なもんやな』
と、多寡をくくっていたのが一転、決死の字数削減作業にかかることに。幸い3時間ほどで1,000ワードを削る作業は完了しましたが、つまりどれだけ無駄な文章を自分が書いていたか、ということが判明して、ただ呆れるばかりです。ちなみに、それまでも字数削減作業はひととおりやっていたので、二度手間と相成った次第。

ちなみに、大学の本部というべきジョージ・スクェアの東南隅に立つDavid Hume Tower(略してDHT)の地下には印刷屋がありまして、USBにPDF化したファイルを入れて持っていくと、ここで印刷・簡易製本までやってくれるのですが、当然ながらここに人が殺到して、前々日(つまり17日)近辺から、長蛇の列が形成されます。

ちなみに私は、ここで印刷&製本に関する情報を入手、Facebook経由で修論目前の日本人院生たちにメールを流しました。さりながら、当の本人は、プリントアウトしたもの2部を、Festival Theatreの隣にある文房具屋のRymanに持って行って、そこでバインドしてもらいました。メールを回したら提供された別情報に感謝。

Ryman仕上げのサンプル
こちらは、学部所定の表紙をつけた状態でのハードコピー、Ryman仕上げのサンプル。二部ありますので、一部は表向き、もう一部は逆から

そしてこちらは、中表紙
そしてこちらは、中表紙

ちなみに、締め切り前日18日のRyman仕上げ(持ち込みは10時半時点)ですと、30分~1時間待ちで出来たのですが、DHTの方はといいますと、前述のとおり、17日の時点で既に長蛇の列、2時間くらい待たされた人多数とのことです。前日、DHTの印刷屋開店(9時)と同時に印刷&提出の私のフラットメイトの場合、大体1時間待ちくらいと言っていました。ちなみに、Deadline当日の19日早朝について言いますと、DHTの印刷屋で紙が尽きていた為に軽くパニックになったとのこと。ちなみにパニックになりかけた中の一人に、私のフラットメイトのコースメイトが居まして、私もフラットメイトも軽く騒然となりまして、フラットメイトはコースメイトのサポートに走りました。幸いにして、無事に済んだのですが。

なお、私のところには規定では表表紙しかございませんで、中表紙の規定なんてないんですが、つけている人が多数だったような気がします。私の場合は、確認した修論サンプルには大抵、中表紙がついていたので、
「付けるもんなんや」
と思っただけの話です。なお、参考までに。中表紙の画像は、鳴門市の大塚美術館で撮った一枚です。

ちなみにこれがResearch Masterとなりますと、なんと語数は倍の30,000ワードとなりまして、締め切りは8月末日。当初は所定字数を若干越えていたとはいえ、20,000ワードを超える字数など、私には想像の埒外です。
『どうやって30,000も書くの?』
と思っていたら、私の翌日に提出した同じコースのResearch Masterのアビィは、提出週の月曜日時点で規定字数を、なんと5,000もオーヴァー。提出当日まで、決死の字数削減作業に従事していました。図書館はTaugut Master論文締め切り前日に、オールナイトで開館している為にこんな荒業も出来たんですが、それにしても恐るべき作業です。

なお、印刷屋はDHTだけではなくてKings Buildingsにもあって、そちらの方が混むことは少ない、と聞きましたが、関連情報をご承知の方は、どうぞお寄せください。今後の参考のために。

もうひとつ、重要なこととしては、Dissertationはプリントしたものだけではなく、電子版、つまりワード/PDFのいずれかにせよ、タイプした状態のものの提出も義務付けられているとのこと。盗用(Plagiarism)対策とのことですが、なんとも、物々しいことだなぁ・・・と思ってしまいます。

ちなみに、修論指導については、非常に懇切丁寧でして、とても満足でした。日本での修論のときは、もっと放置されていたような気がいたしますので、ここまで丁寧な指導をされますと、感じ入ってしまいます。

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柴田 広志さん

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エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第11回 修士論文(Masters Dissertation)

エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第10回 エディンバラの日本語教会

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再び、しばしのご無沙汰、大変失礼いたしました。無沙汰の理由は、前回と同じく、修士論文です。生涯2本目の修論なんですが、相変わらず自分の手際の悪さに意気消沈する次第です。

さて、本日ご紹介するのは、表題にもありますが、エディンバラの日本語教会です。 「え、ロンドンならともかく、エディンバラに日本語教会?」 と思われた皆さん、解ります。私も最初はビックリしました。加えて言うならば、クリスチャンでもないこの私が、教会のことをレポートするとは思いませんでした。

エディンバラの日本語教会

皆さん容易にご推察いただけると思いますが、エディンバラの日本人人口は、どう見積もっても多いとはいえません。ましてその中で、日本語教会の存在を知る人は、・・・特に滞在期間の短い留学生の中では、数少ないでしょう。私個人としては、その存在は昨年9月ごろから知っていたのですが、隔週、もしくは3週間に1度くらいの不定期で通いだしたのは、セメスターの授業が終って、日曜日を日々の予習につぎ込む必要がなくなった4月末ごろからのことです。

私としては、礼拝の様子を見学(「参加」といって良いのか解りませんので)出来るのも非常に良い機会であります。また、教会を切り盛りしていらっしゃるのが韓国人のジェフン牧師・ヨンスクさんご夫妻であるというのも、私としては思考を刺激されるところです。お二人とも実に流暢な日本語を話される、温厚篤実な方たちです。

日本語教会だけありまして、週に一度(水曜日でした)、日本語教室というのも開催しています。例年は解りませんが、今年はジェフンさんご夫妻のご自宅でやっていました。参加者は大体どんな人が多いかといいますと、

• 当地で結婚された日本人の方たちの子女
• 日本語を勉強したいという留学生や現地の人々

だいたい、こんなところでしょうか。参加者の中にはプレ・セッションコース以来の学友もいたりして、彼らに日本語を教えるというのは、やや不思議なことでもあります。私は5月以降の参加ですので、もっぱら子供の遊び相手をしていましたが。エディンバラ大学でも語学の交換学習(「タンデム」といいます)をやっていましたが、大学の中だけでは出会えないような人々に出会うことが出来るというのも、貴重なことです。

個人的には子供たちの遊び相手は楽しかったとか、教室の際にジェフンの奥さんであるヨンスクさんが出してくださる手作りケーキの驚愕の美味しさが毎回楽しみであるとか、色々と下心はあるんですが・・・あ、すいません、甘党なもので。

色々と思うところもありまして、なんとなく足繁く通うことになってしまいましたが(ついでに先日は、信徒の関係者の結婚式のお手伝いを嬉々としてやっていましたが)、ちょっと難点は市街中心部から遠いところでしょうか。そんなこともあって、教会本来の機能のひとつというべきコミュニティ・センターとしての側面は、未だ発展途上かな、というのが率直な印象です。ただ、例えば日本語教室の9月以降の先生がいないということもありますし、時間のある方、後を引き継いでいただける方を探しております。

あ、蛇足ながら。クリスチャンでない方も、どうぞお気軽に。非常にアットホームなところであります。

具体的な連絡先等は下記↓
住所:127 Moira Terrace, Edinburgh, EH7 6UB UK
電話:(Tel) 0789 416 5789
E-mail: jcedinburgh@yahoo.co.uk
Websiteアドレス:http://ejchurch.wordpress.com/about/

ついでながら、Facebookにもグループがありますが、・・・あれ、メンバーの中に、何故かしら私の名前がある(汗)まあいいか。

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エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第11回 修士論文(Masters Dissertation)

エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第9回 日本から持って来ると好都合なもの

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しばしのご無沙汰、大変失礼いたしました。マスターの Dissertation が本格化いたしまして、そちらに全力を傾注しておりました。

そろそろ(あるいは既に)エディンバラに向けて出発される方が多くなってきていると思いますが、こちらにいて、「こんなものがあったら楽だったのに!」と思ったものを、思いつく範囲で列挙していきたいと思います。当然ながら、私のテイストでランダムに選んでおりますので、あまり突っ込まないでください。

なお、余談ですが、電子辞書は(各員、所有されているのが)自明の前提だと思いますので、リストの中には挙げません、念のため・・・

1. ルーズリーフ

イギリスで先ず見つからないもの筆頭が、このルーズリーフだと思います。私はここ十年以上(それ以上の詳細は追求しないでください)、ノートはルーズリーフでとってまいりました。しかしながら、当地UKではルーズリーフなるものが存在しません。ですので、日本からこれを持ってくると、色々便利です。

ですので、ルーズリーフのノート二冊+ノート部分100~200枚相当持ってくると、OKであろうと思います。日本で調達すれば、高くても千円というところではないでしょうか。百円ショップで売っていますしね。

ちなみに日本人以外でただ一人、このルーズリーフを使用している学生にめぐりあいましたが、台湾人でした。

2. シャープペンシル

これもあまり見かけない。イギリス人は・・・に限りませんね、ヨーロッパの人たちは、大抵ノートはボールペンか鉛筆で取ります。一度、シャープペンシルでノートを取っている白人学生を見つけたのですが、アメリカ人でした。ちなみに私の使用しているものは、尾部から消しゴムが出てくるタイプのものなのですが、これに至ってはもう、「東洋の神秘」に属します。ええ、冗談ではなく。

ちなみに、こちらの学生はボールペンメインといいましたが、そのボールペンにもひとつ困ったことがありまして、それは以下に書きます。

3. 水性ボールペン

スコットランドに来て痛感したことですが、あの相○紗季の宣伝でよく知られるパ○ロット社のボールペンは、イギリスでは値段が倍近くします。私は生まれて初めて、自分の使っているボールペンが高級品であることを知りました。いやぁ、書きにくいんです、イギリスのボールペンは・・・

4. 付箋(ポースト・イット)

これが必要なのは、ひょっとして私だけかもしれませんが・・・

無論のこと、当地でも付箋は普通に手に入ります。しかしながら、どれも大きいのです。私が愛用しているのは(具体的に商品名を出して申し訳ないのですが)住友スリーエムの715RP-Kというタイプ、これは小さくて本に線を引かなくても良いという優れものなのですが、如何せん、日本以外の国で見かけたことがありません。ですので、これを持って行くと、恐ろしく重宝します。

5. 五本指ソックス

ここでようやく、話が文房具から逸れます。

おそらくは外地の友人たちの関心を一番惹くのが、この五本指ソックスではないでしょうか。まさしく「ニッポンの神秘」、一体何人の人々を楽しませてきたのか忘れましたが、実は現在、ロンドンの無印良品、もしくはユニクロのいずれかで手に入ります。しかしながら値段が張りまして、確か二足で7ポンド超!日本で調達した方が良さそうです。

6. 洗濯ネット

これも見かけた記憶がありません。一度本気で探したことがあるんですが、どうもエディンバラでは見当たらない。日本だったら百円ショップで買えるのに・・・

7. 包丁

これは、特に気にしないという方は問題にならないんですが・・・

大抵、寮ですとかフラットには、調理器具が置いてあります。しかしながら、特に包丁は、すごい使い勝手が悪いのです。私のフラットにはIKEAの包丁がありますが、どうにも切れ味が宜しくない。ギザギザの刃がついておりまして、日本の出刃包丁のような「圧して切る」という発想ではなくて、のこぎりのようにギコギコ引いて切るという発想になっていますね。ですから、刃も研ぎにくい。まぁ、これは本当に余裕のある人だけで良いと思いますが・・・

以上、参考になりますと幸いです。

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柴田 広志さん

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エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第11回 修士論文(Masters Dissertation)

エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第8回 それぞれのプライド/「古典学」と「歴史学」の間

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私の留学記のタイトルは、
「エディンバラ大学で『歴史学』を学ぶ」
となっております。・・・何を自明なことを、と思われる方がすごく多いと思うのですが、意外とこれが、実は自明でもないということを、今回はお話したいと思います。

「歴史学」か「古典学」か

最初に申し上げておきたいのは、当地においては、ヘレニズム時代史(アレクサンドロス大王と、その後継者たちの時代の歴史)を専門とする私の学は「歴史専攻」ではなくて「古典専攻」に属する、ということです。この古典専攻には、ギリシア・ローマ時代(これを、専門用語で「古典古代」と称します)を扱う諸学の専攻者が所属します。別に歴史をやっている人だけがいるわけではない、ということです。例えば、日本で英語の先生を2年ほどやっていた、古典専攻のPh.Dの院生ニコルの専門はローマ時代の弁論で、彼女は日本で自分の専門を説明するときに、非常に苦労したそうです。で、
「ローマ時代の、・・・『歴史』をやっています、って説明してたんだけどね」
と私に語る彼女の口調は、苦笑交じりでした。これがイギリスなどであれば『古典学』で片付く話なのでしょうが、
『ニコルの専攻が「歴史」って無茶があるなぁ』
と思ったわけです。

そんなわけで、専攻内のアイデンティティも雑多でして、一度ゼミで
「君たちは自分のことを、何の専門家と自己規定する?」
とのお題で議論した際、出てきた回答は以下のとおり↓

「古典学者」「歴史学者」「考古学者」「美術史研究者」「古銭学者」

エトセトラ。最後の古銭学者には、思わず唸ってしまったものです。しかし、彼は実に堂々と誇りを持って自己規定していました。ただし、彼らに共通していることは、自分が古典専攻に所属しているということへの強い意識です。

「まったく古典系の奴は・・・」

私が籍を置いているのはSchool of History, Classics and Archaeologyの大学院コースです。現在、大学院生の研究室はひとつ同じところ、研究科の図書室も一箇所に統一されています。

しかし、実はこの状態になったのは、本当につい最近のことです。

現在、Schoolのメイン・ビルディングはメイン・キャンパスエリアの北西にあるOld Medical Schoolに置かれていますが、以前はGeorge Square東南隅のDavid Hume Tower(略してDHT)にありました。ここでは古典系は独立した図書室を所有しており、研究室も小さいながらも独立した部屋を有しておりました。

ここから完全に主要機能が移転したのは、2010年の10月末ごろのこと。最終的に移転する日、古典系はDHTの「お別れパーティー」を催して、別れを惜しんだものです。この日、パーティー前に、以前も名前を出したダグラス・ケアンズ教授が「ゆうパック」のダンボールに荷物を満載して、古い研究室から新しい研究室への引越し作業をしていたのは、半年ほどが経過した今でも良く憶えています。

それだけの時間が経ち、設備が一新されたにもかかわらず、古典系のある院生は、
「今でもDHTの方が好きなんだよな、俺」
と未だに私に語ってくるぐらいです。これは自分たちの分野に寄せるプライドが高いためでしょう。その所為でしょうか、今でもSchoolのパーティーなどが催される際、古典系の院生の参加率はきわめて低いということになります。パーティーに行ってみたら、古典系の院生が、新参者の私ひとりだけ・・・なんてことはザラにあります。ちなみに今年は、アースキン教授がサバティカルから復帰した関係で(例えば、私のような)ヘレニズム史を希望する院生の数が膨張したらしいのですが、そうした事情を考えると、School全体でのイヴェントにおける古典系の院生の参加者の少なさは、尋常ではありません。

では、古典系はパーティーをやらないのか、というとそんなことは全然ありません。むしろ大好きで(第1セメスターで、一体何回、寿司を巻いてパーティーに参加したか解らないくらいです)、ことに院生だけのゼミの後には、必ず大学敷地内のライブラリ・バーで皆で一杯飲んでいるくらいです。つまり、専攻としての独立意識が強いため、自分たちで固まる傾向が強いということです。そのため、他の歴史専攻の院生から、上に揚げたような苦笑交じりの苦情を言われる、ということになります。

こうした自分の所属分野に対する高いプライドは、私にとっては実はそれほど真新しいものではありません。例えば、私の日本での所属大学では、同じ歴史学科に属していても、考古学ゼミの所属学生は-その中でも特に院生は-、他の分野に対して
「俺たちは考古家なんだ」
という、技術者としてのプライドが高いところでした。私も一度、調査に参加させていただいたことがあるのですが、彼らのプライドには、非常に感じ入ったものです。
その経験から言えば、当地の古典専攻の院生たちの、
「俺たちは古典学者なんだ」
という高いプライドには、感じ入るものがあります。

このようなそれぞれのプライドに対応する為には、頭ごなしに批判したり、反発したりする、というのは、当たり前のようでいて実は愚かなことです。軋轢を生むだけ。 それよりは、・・・これは私が昔、特に中東をバックパッカーとして旅していたときの経験則でもあるのですが、ひとまず、

「それはそうあるものであって、ひとまずそのままで受け入れる」

というのが有効な対処法だと思います。その上で、相手の背景、文脈、そういったものに対する認識を深めた上で批判なり抵抗なりをする。そうしないと、本当に痛い目に遭う。これは、異国に来ているということを勘案すれば自然な対処法でしょうし、また同国人に対する接し方としても有効だと思います。

当地に来ている日本人学生は、私のような文系の人間もいれば、理系の人間も大勢来ているのです。普段の日本での人間関係の中では絶対に聞かないようなことが、お茶飲み話の場に供されるなんてことはザラです。そういったとき、
「それはありえない」
と自分の論を強硬に主張するよりは、先ずは聴きの姿勢に徹すること。それが大事なんだと思います。

このプライドという話、今度はまた別の角度からお話しすると思います。

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エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第11回 修士論文(Masters Dissertation)

エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第7回 授業のことなど

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セメスターの授業(主に古典系大学院生の話)

①特殊専門的な話
以前にもチラリと書きましたが、私は西洋の古典・古代といわれるところを領域としておりますので、ギリシア語が必須となっております。ラテン語の授業への出席も考えていたのですが、これは担当教官のアースキン教授に制止されましたので、ギリシア語のみの出席となりました。とはいえ、歴史・古典系のTaught Masterの場合、単位がつく授業は3つまでしか申請できないことになっております。そんなわけで、ギリシア語の授業は前・後期ともに、単位がつかない(つまりセメスター末のテストもエッセイも要らない)という形式での受講となりました。

しかしながら、これが相当にハードでした。

Under Graduate配当であるのに、第1セメスター時に履修したInter Mediateのコースが大変にハードだったのです。ヨーロピアンの学生たちは皆、スイスイと訳していきます。 「あれはSecondary Schoolでギリシア語やラテン語をやってきた学生が受講するような授業だよ」 とネイティヴの院生に、後で教えてもらいました。

なるほど、と納得した私は、第2セメスターでは文法を初歩から固めなおす、という目的もありまして、Elementary Greekのコースに変更(退行といわないでください)を余儀なくされました。おかげでギリシア語の予習の時間は減りましたが、その分、別の授業のリーディング・リストの消化に時間を費やすこととなりましたが。

②多分、一般的な話
さて、こちらでの授業では、毎回毎回、
「これだけ読みなさい」
という参考文献のリストがドッサリ出されます。時には、
「こんなに読めるわけ無いだろ!」
とネイティヴが苦笑するくらい出ます。

しかしながら、読まないと授業に対応できませんので、みんな頑張って消化するわけですが、それで驚かされるのは、当地の学生がすごく勉強することです。交換留学の学生さんたちと夜の十時くらいに図書館でバッタリ会って、息抜きに雑談などしている折、
「僕たちは日本で何をしていたんだろう、って思いますね」
としみじみ告白される、ということが良くありました。

これは実は私にしても同じことで、これだけ本を読んでいたら、とっくの昔に博士論文を書いていたんじゃないかと真面目に思ってしまうくらいに。それを感じ取るだけでも、留学に来る意味はあるんじゃないかと思います。

③学生たちの分布
大学院生レヴェルまで行くと話は別ですが、交換留学の学生たちの関心傾向は、だいたい性別でふたつに分かれるようです。こんな具合↓

○男子学生=ビジネス系
○女子学生=人文系(文学など)

個人的に非常に感じ入ったのは、中東学系の授業を受講している女子学生に何人か出会ったということです。中東学に少し足を突っ込んだところに位置づけられる私としては素直に彼女たちの関心は嬉しいのですが、
「日本では中東系の授業を、あんまり受けられなくて・・・」
というコメントには考えさせられました。エディンバラ大学が提携している大学は(私の感覚では)名門といってよい大手の私大が多いのですが、やっぱり中東系の学問は日本では馴染みがないのかなぁ・・・と思ってしまいます。

雪に翻弄される第1セメスター末

さて、前にも書きましたが、United Kingdomは2010年の11月末から、じつに3週間ほど、雪で大混乱に陥りました。たまに雪はやむのですが、いずれの日も日中の気温が零度以上に上がらないのです。すると、だんだんと雪が凍結してきまして、その上に雪がさらに積もって・・・という悪循環。さらに除雪車の準備などもほとんど無きに等しく、そんなわけでエディンバラの美しい建物群はおろか、道もどんどんと雪で厚化粧され、公共交通機関の麻痺が深化していくということになります。下は大雪の時期の図書館前の光景です↓

大雪の時期の図書館前の光景

ロンドンも、ヒースロー空港がしばしば雪で閉鎖されたようですが、南のロンドンでこれですから、北のエディンバラはさらに事態が深刻。雪のために飛行機が飛ばず、クリスマスの一時帰国(あるいはヨーロッパ旅行)ができないという留学生が続出することとなりました。
「おい、エディンバラは雪降らないんじゃなかったの?」
とエディンバラっ子のPh.Dの学生に文句を言ったところ、彼も困り果てたという表情で
「まったくだ、どうなっているんだよ?」
と苦笑で返される、といった具合。

この11月末という時期は、St. Andrews Dayというスコットランドの聖人のお祭りの時期に重なりまして、エディンバラ城およびホリルード宮殿をはじめ、いろいろなところが4日間ほど一般公開されるのですが、このうち半分ほどの期間、エディンバラ城は閉鎖されていました。なにしろ城は死火山の上に立てられた山城、城内は階段がけっこう急ですので、危ないのです。初雪の翌日が無料公開初日で、その日に行ってみたのですが、
「これは危ない」
と思っていたら翌日は閉鎖されていました。

笑えないのが、この時期は第1セメスター末で、テスト日程および範囲の公表、そしてテストそのものの時期であるにもかかわらず、雪で休講が相次ぐという事態。ちなみにエディンバラ-グラスゴー間の電車も雪でほとんど動かないという日々が続き、グラスゴー在住の教員が出勤できない、という笑えない事態が相次ぎました。

いや、まだジョージ・スクエア(エディンバラ大学の心臓部)やキングス・ビルディング(理系の諸学部はこちらの方が多い)は、徒歩で通える分、状況が未だマシでした。獣医学の院生さんなど、メインのキャンパスがEaster Bushという、エディンバラでも一番雪が深い郊外、というより僻地にありまして、この時期は一週間ほど授業が連続で休講する事態。
「ええ、テスト近いけどどうするの?」
と、毎日、休講通知を見ながら呆然とするという日々が続いておりました。

皆さん、United Kingdomは日本の日本海沿岸地域と違って、雪というものに対する態勢が一切整っていない国なのです。このことは頭に入れておいてよいかと思います。そんなエディンバラ、エディンバラ城の写真は下↓

エディンバラ城の写真

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エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第6回 長期休暇の過ごし方

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英国外への大脱出

エディンバラ大学は第1セメスターは9月半ばから12月第一週ごろまでの11週間、第2セメスターが1月半ばから3月第4週までの同じく11週です。第1セメスターについては試験が12月第3週、第2セメスターについては今現在、4月第4週くらいから5月末くらいまでが、試験期間です。第1セメスターでは大雪の為、この日程もぐちゃぐちゃだったのですが・・・ついでに申し上げますと、私をはじめとして歴史・古典・考古系の院生は、大多数がアサインメント(期末レポート)のみ、テストはなかったはずです。ギリシア語・ラテン語の古典言語で単位申請をしていない限りは、の話ですが。

さて、それぞれの休み期間が1ヶ月近くあることを利用して、たとえば第1セメスター後のクリスマス休暇の場合には、特にヨーロッパ・北米大陸からの留学生は、自分のアサインメントが終わるとさっさとクリスマス帰国してしまいます。もちろん、第2セメスター後、テスト期間開始に至るまでのイースター休暇についても同様。一方、日本人などアジア方面からの学生は、この休暇期間を利用して、それぞれ大挙して旅行に出かけます。私も例外ではありません。クリスマスにはイタリア、このイースター休暇中にはトルコに出かけていました。

もっとも、英国外に出てしまう場合、日本人・韓国人、そして台湾人など少数を除いて、大抵のアジア諸国からの留学生は、渡航対象国のヴィザを要求されます。このヴィザの発給というのが曲者でありまして、航空券の発券と、ルートの確定が発給の条件となるのだそうです。したがって、たとえば中国人留学生やタイ人留学生と仲良しになって一緒にヨーロッパ旅行をする場合には、 「早くチケットを取ってくれよ。そうしてくれないと、俺たちヴィザをとらなきゃいけないんだから、大変なんだよ」 と、せっつかれることとなります。・・・という話を散々聞きました。

ヨーロッパの格安航空券

なお、現在ヨーロッパでは、easyjetやRyanairに代表される、格安航空会社が各種、しのぎを削っている状態です。ただしこういった格安航空券では、通常の飛行機と違い、荷物をトランクルーム預けにすると、エクストラ・チャージを取られます。また、機内サーヴィスについても、お金を支払うこととなります。ですので、場合によっては通常の航空会社を利用した方が安上がりというケースも生じてきます。特に女性など、荷物がどうしても多くなってしまいがちですので、注意が必要でしょう。

また、こうした格安航空券を利用する場合、エディンバラ発の場合は良いのですが、大都市では事情が違います。たとえばロンドン発の場合、ヒースローやシティのような市街地中心に程近い至便な空港ではなく、ルートン・ガトウィック・スタンステッドのような、市街地から遠く離れた空港をハブとして利用していますので、たとえば国内便を利用する場合には、電車の方が速かったりすることもあります。ちなみに私のトルコ行きの場合、ロンドン=ルートン空港→イスタンブール=サビハ・ギョクチェン空港というルートでしたが、イスタンブールの空港については(これで3度目のトルコ訪問であるにもかかわらず!)名前も聞いた事がない空港で、大慌てしました。

雪で簡単にクローズする、エディンバラとイギリス各地の空港

昨年11月から12月にかけてヨーロッパで猛威を振るった大雪の為、欠航する航空便が相次ぎました。私がイタリア旅行に出発した12月17日は、午前中にオランダ・アムステルダムのスキポール空港が閉鎖され、多くの旅行者が日程変更を余儀なくされました。ちなみにイギリスの交通機関は恐ろしく雪に弱く、エディンバラ空港はおろか、ロンドン・ヒースロー空港までしばしば雪で閉鎖されておりました。こういった場合、特に格安航空券を利用すると、チケットの払い戻しはどうなるんでしょうか?私は幸い、航空便がキャンセル、という憂き目に会ったことがないため、わからないのですが・・・

ちなみに、こうした雪などへの圧倒的弱さについては、次回レポートにてお伝えしたいと思います。今回は3枚ほど写真を載せたいと思います。

イタリア・ローマのカラカラ浴場
イタリア・ローマのカラカラ浴場

トルコ・サルディスのギムナジウム跡
トルコ・サルディスのギムナジウム跡

大雪のエディンバラ
大雪のエディンバラ、11月末のエディンバラ大学 Teviot Library Barの光景

おまけ

こういった話を、私のブログ「洛北孫子亭通信-亭主消息」にて連載しております。非常にやる気のないブログで、一週間に一度程度の更新です(たまに、すごいスピードで更新します)が、暇なときにでもご覧ください。

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エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第11回 修士論文(Masters Dissertation)

エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第5回 Edinburgh for Japan

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エジンバラ大学はイギリスのAncient Universityと呼ばれる6大学の中の1校で、長い歴史と伝統を誇るイギリス屈指の名門大学です。同大学で歴史 MSc The Hellenistic Worldを学ばれている柴田さんの現地レポートをお届けします。

東北での震災を受けて、留学生たちの行動

最初に、今回の震災で被災された方々へのお見舞いを申し上げます。日本から遠く離れた身にとりましては、これ以上の被害拡大がないことを祈ることしか出来ないのが、歯がゆい限りです・・・

震災発生直後、エディンバラ大学のInternational Student Officeがすぐに、日本人留学生を対象にお見舞いメールを回してきました。通常は
「動きが遅い」
「非機能的」
などと評判が宜しくない(笑)ところですので、素直に驚いてしまいました。

また、震災に伴う特恵措置として、日本人留学生は、申請があれば自動的にセメスター末のレポート(アサインメント)締め切り延長を認められると通達されました。通常ですと、アサインメントの締め切り延長を申し出た場合には減点されるのですが、今回に限り、そういった減点措置もなかったようです。

また、震災発生後、交換留学のUnder Graduateの学生たちが中心となってEdinburgh for Japanという組織を立ち上げまして、3月21日から25日までの約一週間、学内で募金活動を行いました。私自身はレポートに追われていたため、ほとんど手伝うことが出来ませんでしたが・・・セメスターの最終週ではありましたが、相当の額の募金を集めることが出来ました。

この活動に当たって、Facebookが情報交換にフル活用されたことを申し上げます。留学を考えている方は、Facebookのアカウントを取っておくと、あとで重宝すると思います。なお、学内で集まった募金は、赤十字を通して日本に送り届けられることとなっています。

また、今回の震災、および募金活動に際して、エディンバラ大学からの協力に、厚くお礼を申し上げます。

なお、下に、募金活動の一環、チャリティーカフェの写真を添付しました。どうぞご覧ください。今回の募金活動に関しては、とくに日本語学科の全面的なサポートがありましたこと、最後に付け加えさせていただきます。

チャリティーカフェ
チャリティーカフェの様子

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平田 未来さん

平田 未来さん

留学先:ロイヤル・ホロウェイ(ロンドン大学) Royal Holloway, University of London
留学分類:大学院留学
専攻名:歴史 MA History
留学期間:2010年8月〜2011年9月
beoの留学サポートを利用して留学

ロイヤル・ホロウェイ(ロンドン大学) で歴史学を学ぶ 第6回 All for One

ロイヤル・ホロウェイ(ロンドン大学) で歴史学を学ぶ 第6回 All for One

Categories: ロイヤル・ホロウェイ(ロンドン大学) / 大学院留学 / 歴史
ロイヤル・ホロウェイ(ロンドン大学) Royal Holloway, University of London はイギリスでトップ10に入る研究大学として、社会学・教養学・人文学などで世界的な評判を得ています。同大学で歴史History を学ばれている平田さんの現地レポートをお届けします。

こご無沙汰しております。
2011年3月11日に発生した「東北地方太平洋沖地震」において被災された皆さまには心よりお見舞い申し上げます。

留学先で日本のニュースを見てとても驚きました。まだ余震が続いているようなのであまり安心はできないのですが、カレッジでも日本のための募金活動やイベントを開催致しました。

私は2010年の秋からジャパン・ソサエティーのコミッティーのメンバーとして日本文化の普及と発展、英国をはじめとする海外の方々との交流をしてきました。活動は週に1,2回のミーティングや、学期の初めと終わりにある交流会の開催、フードイベントの実施などです。

フェア・ウェル・パーティーの集合写真
フェア・ウェル・パーティーの集合写真

ロンドン大学のロイヤル・ホロウェイ支部としての活動ではありますが、誕生日やフェアウェル・パーティーなど学校生活の思い出づくりになっています。

このジャパン・ソサエティーでは、今回の震災のために3月14日から22日までの間、募金活動とフリーマーケット、それにアニメ・ソサエティーなどと合同でチャリティーを行いました。

募金活動の一場面。赤と白は日本の国旗をイメージしました。
募金活動の一場面。赤と白は日本の国旗をイメージしました。

学内外のみなさまのおかげでロイヤル・ホロウェイ史上高額の募金が集まったと聞いています。このお金は学校を通じて、英国赤十字、さらには日本へと募金されるそうです。 大学のプレジデントやインターナショナルのためのスタッフの方々、学内外の学生に大変お世話になりました。

日本では募金活動やチャリティーというのはあまりなじみがない方も多いかと思いますが、海外、少なくともここイギリスでは慈愛の精神のようなものが根付いている気がしました。みなさんがとにかくとても暖かい言葉をかけてくださるので、逆にこちら側が勇気づけられました。

震災の直後、日本のことを心配しているときに、学校の子にfacebook上で伝えてもらった「all for one」という言葉が身に染みました。

フリーマーケットの一場面
フリーマーケットの一場面

3月末は日本からの交換留学生が帰国する時期でもあります。日本ではまだ余震が続いており、復旧作業もこれから時間がかかりそうですが、私たちは留学先からできる活動に参加して、学業の方も今後さらに真剣に取り組んでいきたいと思います。

学校生活は春学期が無事に終わり、これからイースター休暇です。この間に4,6月提出のエッセイの準備をします。それは別の記事でご紹介させていただきます。

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柴田 広志さん

柴田 広志さん

留学先:エジンバラ大学 The University of Edinburgh
留学分類:大学院留学
専攻名:歴史 MSc The Hellenistic World / School of History, Classics and Archaeology
留学期間:2010年7月〜2011年8月
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エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第11回 修士論文(Masters Dissertation)

エジンバラ大学で歴史学を学ぶ 第4回 エジンバラ大学に決めた理由

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エジンバラ大学はイギリスのAncient Universityと呼ばれる6大学の中の1校で、長い歴史と伝統を誇るイギリス屈指の名門大学です。同大学で歴史 MSc The Hellenistic Worldを学ばれている柴田さんの現地レポートをお届けします。

今回は、前回レポートで書いていなかったことを中心に・・・

志望動機

もう、軽めに書いたことではありますが、もう少し具体的に。

実は、特段に
「エディンバラでなくては嫌だ!」

というのは、最初はありませんでした。何故かというと、現在イギリスは、私の分野である西洋古典学(ちなみに、ヨーロッパでは、西洋古代に関わる学問、即ち歴史・哲学・文学は『古典学』という専攻分野に一括されております)に関しては、授業および講師陣が高いレヴェルが安定供給されている国ですので、どこの大学に入っても、質の高い授業を受講できるのは間違いない、と思っていました。

ただ、おそらくはオックスブリッジ、ロンドン、リヴァプール出身の人が西洋古代史については多いんですが、最終的にエディンバラ大学を選んだのは、街の美しさもさることながら、ヘレニズム時代史(普段は「アレクサンドロス大王の時代」と、ざっくりと説明しています)で、最近もっとも活躍している研究者の一人であるアンドリュー・アースキン教授、そしてアケメネス朝ペルシア史の研究者であるロイド・スレウェリン-ジョーンズ博士がSenior Lecturerとして籍を置いている、ということも大きな要因でした。

また、古典学の教授であるダグラス・ケアンズさんは、数年前に京大で客員教授をしていたこともあって、大の親日家で、私のことも非常にケアして下さっているというのも非常にありがたいことです。

また、日本では研究者がほとんどいない分野なのですが、ここではヘレニズム時代史を研究している院生も多く、彼らの話を聞くのは非常に勉強になります。

授業について

実は、受講を義務づけられているのは、セメスター毎に3つか4つくらいなのですが、私はそれに加えて、古典ギリシア語の授業を受講しています。これがまたすごく大変でして、この授業はなんと、毎週4回あります。正規で受講した場合、5回に増えます。如何に授業時間が1時間だけとはいえ、毎日あるのは大変ですね。

私のフラットメイトには
「英語じゃなくてギリシャ語を読んでますよね」
と皮肉でなく評されておりますし、他の歴史学専攻の院生さんにも
「なんでそんなに忙しそうにしているんですか?」
と呆れられる始末です。

実はギリシア語の授業はUnder Graduate配当なのですが、大学2回生くらいの連中が実にすいすいと読めています。これはもう、蓄積の賜物ですね・・・

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平田 未来さん

平田 未来さん

留学先:ロイヤル・ホロウェイ(ロンドン大学) Royal Holloway, University of London
留学分類:大学院留学
専攻名:歴史 MA History
留学期間:2010年8月〜2011年9月
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ロイヤル・ホロウェイ(ロンドン大学) で歴史学を学ぶ 第6回 All for One

ロイヤル・ホロウェイ(ロンドン大学) で歴史学を学ぶ 第5回 留学のA to Z ~アカデミック編~

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ロイヤル・ホロウェイ(ロンドン大学) Royal Holloway, University of London はイギリスでトップ10に入る研究大学として、社会学・教養学・人文学などで世界的な評判を得ています。同大学で歴史History を学ばれている平田さんの現地レポートをお届けします。

こんにちは。9月の末に本コースが始まりました。今週で第4目に入ります。全体像は把握できていないのですが、アカデミック・コースについてこれまでにわかっている部分をご紹介致します。

「教科書にはのっていない」?留学のA to Z  ~アカデミック編~

ファンダーズ・ビルディングの前で

ファンダーズ・ビルディングの前で

このヴィクトリアン様式の建物に"一目ぼれ"してから約1年半後、夢に描いていたこのキャンパスで留学ができ毎日感謝しています。

しかし、本コースの勉強のこととなると本気でかからなければ到底卒業ができないと思っていたほうがいいかもしれないと思うこのごろです。よく「欧米型の大学は競争が激しく、卒業するのが難しい」といったことを耳にしますが、それは本当だと思います。ただし見たところ、欧米の学生を見ていると、平日や授業のあるタームはすごく集中して物事に取り組みますが、週末や長い休みはとことん休む、というスタイルを取っているように思います。なるべく早く自分の勉強スタイルを確立することが必須ですが、いくら日本と同じようにしようとしても、最初は慣れないことでいっぱいです。

まずは、時間割についてですが、専攻によっては必修と選択科目があらかじめ決められているものもあります。大部分はインターネットで検索ができ、年間計画もすぐに決められる場合もあります。あるいはまた、私の専攻する歴史学のようにオリエンテーションの当日前までに選択科目を決め、時間割やスケジュールなどは当日かあるいは授業が始まってから初めて情報が与えられるというコースもあります。日本の大学にあるような授業の"お試し"期間や履修変更などがあまり一般的じゃない印象があります。またロイヤル・ホロウェイにはムードル(moodle)と呼ばれる学生専用サイトがあります。詳しくは入学してからのお楽しみですが、ここでいわゆるシラバスや配布資料を閲覧し、ダウンロードすることができるようになっています。

各コースにより、履修方法は異なりますが、わたしの場合、必修が2コマ(2ユニット・単位)と選択科目が2コマ(2ユニット・単位)です。1つの授業が各2時間ずつあります。専攻によってさらに細かく分かれますが、わたしは1週間に4コマ、合計で8時間、3日間だけの時間割を組みました。

時間割:例

  午前 午後
Tuesday 必修 必修
Wednesday   選択科目①
Thursday 選択科目②  


一見すると、とても履修が簡単なように見えますが、実際は残りの時間をすべて予習と復習に割り当ててもまだ時間が足りないくらいです。なぜかといいますと、クラスごとにリーディングの宿題が大量に出されるからです。

だたし、課題がきちんと与えられ、問題設定があるために、視点を持って資料を読み込むことができるようになっています。その課題を授業ごとにこなし、自分なりの"答え"を出していけば授業にはついていけるようになっています。

ここまではリーディングの作業ですが、クラスによってはグループ・ディスカッションやプレゼンテーションが合わさっているものもあります。選択科目となるととても人数が少なく、指導教官の先生の教室やロイヤル・ホロウェイの別館で行うことがあります。ここでは自分が知っていること、感じたこと、本を読んで学んだことをきちんと発言できるようにしておけばとても効果的に英語の学習ができると思います。

お気に入りの図書館にて、お勉強

お気に入りの図書館にて、お勉強

まだ始まって間もないのですが、正直なところ、本コースの勉強は、想像していたよりもずっと大変なものです。 とはいえ、冒頭でも述べました通り、このカレッジに"一目ぼれ"しただけのこともあり、好きな勉強をとことんできる環境がとても気に入っています。日本でも同じことだと思いますが、タイム・マネジメント、つまり自分の時間の使い方をしっかりと持つことが必要だと感じています。規則正しい生活と食事、健康には気をつけて、この秋学期を乗り越えたいと思います。

夜も更けてきたので今回はこのあたりでおいとまします。

薔薇とロイヤル・ホロウェイ

薔薇とロイヤル・ホロウェイ

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